川崎市は16日、入札の参加業者選定に関する公文書のファイルを、職員が自身の卓上に置いたまま紛失する不祥事があったと発表した。
市では昨年度も、入札関連書類を紛失するミスがあり、重要な公文書の管理態勢が問われる。
市によると、今回紛失したのは、中原区内の市道の維持管理に関するもの。擁壁補修の必要性調査を発注する指名競争入札についての文書類で、予定価格の根拠となる金額約300万円などが記載されていた。
市の規則では、こうした文書はカギ付きのロッカーで保管することになっている。だが中原区道路公園センターの20歳代の男性職員は8月4日からファイルを卓上に平積みにして放置。同26日になって紛失に気づいたという。同センターの大野宣郎所長は取材に対し、職場でずさんな文書管理が常態化していたことを「否定できない」と述べた。
市では昨年6月、川崎区道路公園センターで道路の除草業務の指名競争入札に関する文書一式を紛失し、入札がやり直しとなった。
市情報管理部の担当者は「適正な文書管理が行われず紛失したことは重く受け止める。情報共有を図り、再発防止に努めたい」とコメントした。