違法なわいせつ動画のURLを自身が運営するサイトに掲載したとして2人の男が警視庁に逮捕された。2人は広告収入として約8年間で計約3600万円を得ていた。男の1人は「外国にサーバーがあるから日本の法律に違反するとは思わなかった」と言い訳している。URLを載せたら逮捕とはどんなケースがあり得るのか。
警視庁保安課が20日までに、わいせつ電磁的記録陳列の疑いで逮捕したのは愛知県の30代の男と東京都の40代の男。男はそれぞれサイトを運営し、海外サイトにあった動画のURLを自身のサイトに載せていた。
逮捕容疑は2021年11月と23年2月、無修正のわいせつ動画のURLをサイトに掲載した疑い。30代の男は「(海外サイトは)外国にサーバーがあるから日本の法律に違反するとは思わなかった」、40代の男は「運営に関わっていない」とそれぞれ供述している。
サーバーが外国にあれば大丈夫というのはよく使われる言い訳だ。ITジャーナリストの井上トシユキ氏は「外国にある会社が無修正動画配信サイトを運営し、外国のサーバーを使っている場合は、日本円で決済できようが出演者が日本人だろうが手が出せません。ただ、それを関係ない人が日本でURLを載せるなどして公開するとダメ。無修正は日本ではNGなのでダメなのです」と解説した。
ほかにもURLを載せたらダメというケースではリーチサイトがある。「サイトにコンテンツを置かず、ほかのサイトにある違法な動画などのURLを集めたサイトをリーチサイトと呼んでいます」(同)。URLを集めて紹介することでアクセスを稼ぎ、広告収入につなげているわけだ。
もともとリーチサイトは著作権違反を助長しているということで問題視されていた。「ドラマや映画の動画がネットに違法アップロードされ、そのURLを紹介するサイトが増えたことから、関係する業界から規制を望む声が出ました。そして2020年に著作権法改正という形でリーチサイトが規制されるようになったのです」(同)
こうしたリーチサイトは複数人が関わっていることが多いという。井上氏は「私が聞いた話では、違法アップロードされた動画のある海賊版サイトとリーチサイトはグルでやっていることがあるそうです。リーチサイトが海賊版サイトの宣伝役となるわけです」と明かした。
今回の事件はネット上の違法・有害情報を監視する民間団体「インターネット・ホットラインセンター」に通報があり発覚していた。ネットにはびこる違法なものには厳しい目が向けられている。