ディズニーホテルで結婚式を執り行ったところ、チャペルに招待していない他人がいた–。新婦がX(旧ツイッター)でその体験を明かし、波紋をよんでいる。投稿者のアカウントには、他にも招待していない人が参列していた経験が寄せられていた。
このような場合、刑事や民事上の法的責任は問えるのだろうか。冨本和男弁護士に聞いた。
–招待していない客の参列で、刑事責任は問えるのでしょうか
チャペル内にいた他人については、建造物侵入の責任を問えるのではと考えます。
建造物侵入罪の保護法益は、建造物の管理権者(式場・ホテル)の誰を立ち入らせ、誰の滞留を許すかを決める自由です。建造物侵入罪は、正当な理由がないのに、人の管理する建造物に管理権者の意思に反して侵入した場合に成立します。
招待されていないにもかかわらずチャペル内に立ち入る行為は通常、管理権者(式場・ホテル)の意思に反しますので、建造物侵入に当たるのではと考えます。
–民事については、どう考えられますか
チャペル内への侵入について式場やホテルに落ち度があると言える場合には、責任を問える可能性があります。
例えば、式場やホテルの方でチャペルの出入り口で受付係や案内係を任されていたにもかかわらず、招待客かどうか大した確認もせずチャペル内に通したような場合です。
【取材協力弁護士】冨本 和男(とみもと・かずお)弁護士債務整理・離婚等の一般民事事件の他刑事事件(示談交渉、保釈請求、公判弁護)も多く扱っている。事務所名:法律事務所あすか事務所URL:http://www.aska-law.jp