大阪市北区のカラオケパブで2021年6月、経営者の稲田真優子さん(当時25歳)を刺殺したとして、殺人罪に問われた常連客で無職の宮本浩志被告(57)に対し、検察側は12日、大阪地裁(大寄淳裁判長)の裁判員裁判で「犯行は執拗(しつよう)かつ残忍で、強固な殺意と計画性があった」として無期懲役を求刑した。弁護側は無罪を改めて主張して結審した。判決は20日。
【写真】大阪・パブ経営者殺害事件 この日は、稲田さんの母由美子さん(65)と兄雄介さん(30)が被害者参加制度を利用して法廷で意見陳述した。由美子さんは「どれほどの痛みと恐怖だったか。幸せな未来図を全てかき消され、無念と悔しさでいっぱいです。どうか重い実刑判決をお願いします」と訴えた。

起訴内容は21年6月11日夜、北区天神橋4の雑居ビル5階に入る「カラオケパブごまちゃん」の店内で、稲田さんの首や胸を刃物で何度も突き刺すなどして失血死させたとしている。 検察側は論告で、被告の服や靴に稲田さんの血液が付着していたほか、事件当日のビルの防犯カメラ映像から事件への関与は明らかだと指摘。「一方的に好意を抱いた被害者に距離を置かれ、気持ちを鬱積させた」と主張した。 弁護側は最終弁論で第三者が関与した可能性に触れ、「検察側は被告が犯人だと十分に立証できていない」と反論した。 宮本被告は公判の終盤に50分近く意見陳述。検察側の立証方法を批判したうえで、「迷惑をかけないで済むので、判決は死刑を宣告してほしい」と述べた。宮本被告は9月16日の初公判でも、「判決は死刑をお願いします」と発言したが、起訴内容の認否は明らかにしていない。【安元久美子】
この日は、稲田さんの母由美子さん(65)と兄雄介さん(30)が被害者参加制度を利用して法廷で意見陳述した。由美子さんは「どれほどの痛みと恐怖だったか。幸せな未来図を全てかき消され、無念と悔しさでいっぱいです。どうか重い実刑判決をお願いします」と訴えた。
起訴内容は21年6月11日夜、北区天神橋4の雑居ビル5階に入る「カラオケパブごまちゃん」の店内で、稲田さんの首や胸を刃物で何度も突き刺すなどして失血死させたとしている。
検察側は論告で、被告の服や靴に稲田さんの血液が付着していたほか、事件当日のビルの防犯カメラ映像から事件への関与は明らかだと指摘。「一方的に好意を抱いた被害者に距離を置かれ、気持ちを鬱積させた」と主張した。
弁護側は最終弁論で第三者が関与した可能性に触れ、「検察側は被告が犯人だと十分に立証できていない」と反論した。
宮本被告は公判の終盤に50分近く意見陳述。検察側の立証方法を批判したうえで、「迷惑をかけないで済むので、判決は死刑を宣告してほしい」と述べた。宮本被告は9月16日の初公判でも、「判決は死刑をお願いします」と発言したが、起訴内容の認否は明らかにしていない。【安元久美子】