栃木・日光市のサウナ施設で、男性が施設のそばにある池で溺れ、その後、死亡が確認されました。最近、増加傾向にあるという自然の中で楽しむサウナ施設。利用する際にはどのような注意が必要なのか、また、施設側にはどのような安全対策が求められるのかを取材しました。 ◇“整う”はずが痛ましい事故となってしまいました。現場は栃木・日光市の大自然の中です。10日午前、サウナの小屋の前にある池に入った25歳の男性が溺れ、死亡が確認されたのです。事故が起きたのは“自然サウナ”が楽しめる施設でした。この施設のTwitterには、「サウナを出て“即ドボン”をお楽しみください!」と投稿されていました。

“自然サウナ”とは近年、施設数を増やしているサウナの楽しみ方の1つです。サウナは屋外にあり、体を温めた後は「水風呂」の代わりに池や湖に入ります。サウナと水風呂を交互に繰り返すことで得られるリフレッシュ感、いわゆる“整う”体験ができるとして、人気を集めています。事故が起きた施設では、池を水風呂代わりにしていたということです。警察によると、亡くなった男性(25)はサウナの後、友人3人と目の前の池に入り、溺れたといいます。実はこの池は、施設がオープンした2021年以前は釣り堀だったとみられています。「フィッシングエリア」と書かれた看板も残っていました。近くに住む人は次のように証言しました。近隣住民「結構、大きい魚を放して、釣ってました。釣り堀ですよね」――池は深かった?近隣住民「深いところは3メートル以上、あるんじゃないですか」近隣住民によると、池は人工的に造られたもので、深さは3メートルにも達するということです。事故が起きた施設も、オープン当初、SNS上で「岸から2~3メートル歩くと、水深2メートル以上、最深部で4メートル。アルコールは持ち込みを含め禁止としております」と注意を呼びかけていました。岸から数メートル進むだけで急に深くなる地形だとしています。近隣住民「(池に)入ってるのは見ていましたし、心配というものも頭にはありましたね」 ◇“自然の水風呂”に入る際は、どのような安全管理が求められるのでしょうか。正しいサウナの入り方を啓発・研究する専門家は、一部の施設では環境面などの整備が追いついていないことを指摘します。日本サウナ学会 加藤容崇代表理事「リスクにつながるようなことがあるので、(池に)スロープ・手すりをつける。あるいは救命胴衣を着用。監視員とかライフセーバーとか、人的な監視体制も不可欠」手すりの設置や監視員などを配置した上で、健康面からも水に飛び込む行為は危険だと認識することが重要だと話していました。 ◇山梨県で実際に自然サウナを運営する男性にも話を聞きました。山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「うちの場合は、本当にお客さんにつきっきりで」サウナで体を温めたら、目の前の湖が水風呂代わりです。この自然サウナでも少し進むと足がつかなくなる深さになるため、様々な対策をとっているといいます。山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「(湖で)“少し泳ぎたい”ってお客さんも当然いるじゃないですか、浮輪を2つ導入しまして」以前から、スタッフが利用者に付き添った上で、浮輪の貸し出しを実施。また、今回の事故を受け、安全管理を強化するということです。山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「スタッフ用の救命道具を買って、私たちがそれを着けて助けにいける(体制)」 ◇事故が起きた施設の体制は適切だったのでしょうか。警察は、男性が溺れた時の状況を捜査中で、施設側も真摯に協力・対応するとしています。
栃木・日光市のサウナ施設で、男性が施設のそばにある池で溺れ、その後、死亡が確認されました。最近、増加傾向にあるという自然の中で楽しむサウナ施設。利用する際にはどのような注意が必要なのか、また、施設側にはどのような安全対策が求められるのかを取材しました。

“整う”はずが痛ましい事故となってしまいました。
現場は栃木・日光市の大自然の中です。10日午前、サウナの小屋の前にある池に入った25歳の男性が溺れ、死亡が確認されたのです。事故が起きたのは“自然サウナ”が楽しめる施設でした。この施設のTwitterには、「サウナを出て“即ドボン”をお楽しみください!」と投稿されていました。
“自然サウナ”とは近年、施設数を増やしているサウナの楽しみ方の1つです。サウナは屋外にあり、体を温めた後は「水風呂」の代わりに池や湖に入ります。
サウナと水風呂を交互に繰り返すことで得られるリフレッシュ感、いわゆる“整う”体験ができるとして、人気を集めています。
事故が起きた施設では、池を水風呂代わりにしていたということです。警察によると、亡くなった男性(25)はサウナの後、友人3人と目の前の池に入り、溺れたといいます。
実はこの池は、施設がオープンした2021年以前は釣り堀だったとみられています。「フィッシングエリア」と書かれた看板も残っていました。近くに住む人は次のように証言しました。
近隣住民「結構、大きい魚を放して、釣ってました。釣り堀ですよね」
――池は深かった?
近隣住民「深いところは3メートル以上、あるんじゃないですか」
近隣住民によると、池は人工的に造られたもので、深さは3メートルにも達するということです。
事故が起きた施設も、オープン当初、SNS上で「岸から2~3メートル歩くと、水深2メートル以上、最深部で4メートル。アルコールは持ち込みを含め禁止としております」と注意を呼びかけていました。岸から数メートル進むだけで急に深くなる地形だとしています。
近隣住民「(池に)入ってるのは見ていましたし、心配というものも頭にはありましたね」

“自然の水風呂”に入る際は、どのような安全管理が求められるのでしょうか。
正しいサウナの入り方を啓発・研究する専門家は、一部の施設では環境面などの整備が追いついていないことを指摘します。
日本サウナ学会 加藤容崇代表理事「リスクにつながるようなことがあるので、(池に)スロープ・手すりをつける。あるいは救命胴衣を着用。監視員とかライフセーバーとか、人的な監視体制も不可欠」
手すりの設置や監視員などを配置した上で、健康面からも水に飛び込む行為は危険だと認識することが重要だと話していました。

山梨県で実際に自然サウナを運営する男性にも話を聞きました。
山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「うちの場合は、本当にお客さんにつきっきりで」
サウナで体を温めたら、目の前の湖が水風呂代わりです。この自然サウナでも少し進むと足がつかなくなる深さになるため、様々な対策をとっているといいます。
山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「(湖で)“少し泳ぎたい”ってお客さんも当然いるじゃないですか、浮輪を2つ導入しまして」
以前から、スタッフが利用者に付き添った上で、浮輪の貸し出しを実施。また、今回の事故を受け、安全管理を強化するということです。
山梨県で自然サウナを運営する赤尾守敏代表「スタッフ用の救命道具を買って、私たちがそれを着けて助けにいける(体制)」