消費者庁は10月14日、健康食品などの日用品を販売する日本アムウェイ合同会社(以下、日本アムウェイ)に対して、同日から2023年4月13日までの6か月間の取引等停止命令を下したことを発表した。あわせて、再発防止策を講じることも指示したという。
【写真】日本アムウェイの経営陣の顔写真 社名や目的を伏せたまま商品販売や、会員登録の勧誘した点などが、特定商取引法違反にあたるとされた。なお昨年11月には、マッチングアプリで知り合った女性を日本アムウェイへ違法に勧誘した疑いで公務員らが逮捕されている。

日本アムウェイ広報部に問い合わせたところ、「行政処分は極めて深刻に受け止めています」とのコメントが返ってきた。「ABO(アムウェイ・ビジネス・オーナー)が守るべき倫理綱領・行動規準を設けるなど、コンプライアンス違反を発生させないための取り組みをかねてより行ってきました。今後はコンプライアンス教育をさらに強化してまいります」(日本アムウェイ担当者) 特定商取引法では、連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法に関して細かくルールを設けており、勧誘目的であることを伏せた勧誘行為は規制されている。しかし、近年はマッチングアプリを通じた違法勧誘が当たり前になっているらしい。あるマッチングアプリを利用する男性が証言する。「すごい美女とマッチングして、4回目くらいのデートで『友達に会わせたい』と言われました。友達に紹介するなんて僕との将来を本気で考えてくれているんだなとウキウキしていたら、その友達と彼女のふたりがかりで勧誘されました。場所がファミレスだったので、なんとか逃げ出せましたが、もっとクローズドな空間だったらと想像すると怖いですね。 マッチングした別の女性に初デートでいきなり勧誘された経験は過去にもあったのですが、最終的に勧誘する目的で何度もデートするような人もいるのかとゾッとしました。今から思うと、実際に勧誘されるまでも『今の仕事は楽しい?』とか、“ハマる素質”があるのか会話の中でさりげなくジャブを打たれていた気がします」(マッチングアプリのユーザー) この男性は“自衛”しながら今もマッチングアプリを利用し続けているという。「『アムウェイ会員は37とxsという言葉をプロフィールにさりげなく混ぜがち』とネット上で噂されています。アムウェイで大成功した人にちなんだ数字だとかなんとかで、会員同士でうっかり勧誘しあわないためのサインだと言われています。どこまで本当かわかりませんが、それで自衛しています。 大手マッチングアプリでは、『アンチネットワークビジネス』というコミュニティ(趣味や価値観で繋がるための機能)に6500人以上が参加しています。それだけマッチングアプリで勧誘されたことのある人が多いってことでしょうね」(前出の男性) 日本アムウェイが行政処分を受けたのは、今回が初めて。なぜ今、行政処分が下されたのか? 詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストである多田文明氏に見解を聞いた。「逮捕者が出たにもかかわらず、状況が改善されず、悪質な勧誘が続いていると判断されたのでしょう。今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられ、若者が知識不足につけこまれて消費者トラブルが増加されることが懸念されています。その防止策の一環として、今回の行政処分につながったと考えられます」(多田氏) 多田氏によると、マッチングアプリはマルチ商法やマンション販売、カルト宗教の勧誘ツールとしてすっかり一般的なものになっているという。「恋愛感情を多少なりとも持つ相手のことを厳しく突っぱねるのは難しい。その心理を利用して、何度もデートの回数を重ねたり、時には交際を申し込んだりした上で勧誘行為が行われています。手軽に登録できて便利なサービスは、悪人にとっても手軽に登録できて便利なサービスなのだと肝に銘じましょう」(多田氏) ロマンスのすぐ隣に落とし穴が空いている。
社名や目的を伏せたまま商品販売や、会員登録の勧誘した点などが、特定商取引法違反にあたるとされた。なお昨年11月には、マッチングアプリで知り合った女性を日本アムウェイへ違法に勧誘した疑いで公務員らが逮捕されている。
日本アムウェイ広報部に問い合わせたところ、「行政処分は極めて深刻に受け止めています」とのコメントが返ってきた。
「ABO(アムウェイ・ビジネス・オーナー)が守るべき倫理綱領・行動規準を設けるなど、コンプライアンス違反を発生させないための取り組みをかねてより行ってきました。今後はコンプライアンス教育をさらに強化してまいります」(日本アムウェイ担当者)
特定商取引法では、連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法に関して細かくルールを設けており、勧誘目的であることを伏せた勧誘行為は規制されている。しかし、近年はマッチングアプリを通じた違法勧誘が当たり前になっているらしい。あるマッチングアプリを利用する男性が証言する。
「すごい美女とマッチングして、4回目くらいのデートで『友達に会わせたい』と言われました。友達に紹介するなんて僕との将来を本気で考えてくれているんだなとウキウキしていたら、その友達と彼女のふたりがかりで勧誘されました。場所がファミレスだったので、なんとか逃げ出せましたが、もっとクローズドな空間だったらと想像すると怖いですね。
マッチングした別の女性に初デートでいきなり勧誘された経験は過去にもあったのですが、最終的に勧誘する目的で何度もデートするような人もいるのかとゾッとしました。今から思うと、実際に勧誘されるまでも『今の仕事は楽しい?』とか、“ハマる素質”があるのか会話の中でさりげなくジャブを打たれていた気がします」(マッチングアプリのユーザー)
この男性は“自衛”しながら今もマッチングアプリを利用し続けているという。
「『アムウェイ会員は37とxsという言葉をプロフィールにさりげなく混ぜがち』とネット上で噂されています。アムウェイで大成功した人にちなんだ数字だとかなんとかで、会員同士でうっかり勧誘しあわないためのサインだと言われています。どこまで本当かわかりませんが、それで自衛しています。
大手マッチングアプリでは、『アンチネットワークビジネス』というコミュニティ(趣味や価値観で繋がるための機能)に6500人以上が参加しています。それだけマッチングアプリで勧誘されたことのある人が多いってことでしょうね」(前出の男性)
日本アムウェイが行政処分を受けたのは、今回が初めて。なぜ今、行政処分が下されたのか? 詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストである多田文明氏に見解を聞いた。
「逮捕者が出たにもかかわらず、状況が改善されず、悪質な勧誘が続いていると判断されたのでしょう。今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられ、若者が知識不足につけこまれて消費者トラブルが増加されることが懸念されています。その防止策の一環として、今回の行政処分につながったと考えられます」(多田氏)
多田氏によると、マッチングアプリはマルチ商法やマンション販売、カルト宗教の勧誘ツールとしてすっかり一般的なものになっているという。
「恋愛感情を多少なりとも持つ相手のことを厳しく突っぱねるのは難しい。その心理を利用して、何度もデートの回数を重ねたり、時には交際を申し込んだりした上で勧誘行為が行われています。手軽に登録できて便利なサービスは、悪人にとっても手軽に登録できて便利なサービスなのだと肝に銘じましょう」(多田氏)
ロマンスのすぐ隣に落とし穴が空いている。