JICA(国際協力機構)が、国内4つの自治体をアフリカの「ホームタウン」に認定したことをめぐり、木更津市のホームタウンとなったナイジェリアが「日本政府が特別ビザの枠組みを作る」と誤った声明を発表したことで、X(旧ツイッター)では「移民の受け入れではないか」と炎上する事態となった。
その反対理由にあげられるのが「治安の悪化」だが、新宿・歌舞伎町では数年前からナイジェリア人キャッチが増加し、トラブルも相次いでいるという。その実態を調査した。
前編記事『新宿・歌舞伎町で「ナイジェリア人キャッチ」が急増中…!客引きだけじゃない…彼らが日本でやっている「恐怖のシノギ」《木更津市のアフリカ・ホームタウン問題》』から続く。
今から約25年前に六本木や新宿・歌舞伎町といった繁華街に勢力を拡大し、現在では飲食店への客引きのほか、クスリの売買まで手を染めているという黒人キャッチたち。
実際に、ナイジェリア人絡みの「薬物事件」は頻繁に起きている。2018年から2021年6月までの間に、六本木ではバーや路地裏で薬物を密売したとして、計19人のナイジェリア人を逮捕。
さらに警察は、そのグループのリーダーだったナイジェリア人も、覚醒剤取締法違反などの疑いで現行犯逮捕している。彼らが密売していた薬物は、通称「麻布パケ」として界隈では知られた存在だった。
昨年には、新宿・歌舞伎町を拠点とする覚醒剤密輸組織のリーダーだったナイジェリア人を、覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した。この男性は、通信アプリを通じて日本人女性と接触。恋愛感情を抱かせ、女性が勤務する会社の事務所に覚醒剤の入った郵便物を発送し、密輸しようとしたという。
いったいなぜ、彼らの薬物ビジネスは終わらないのか。歌舞伎町ウォッチャーの仙頭正教氏はこう語る。
「黒人キャッチから引いたネタ(薬物)は粗悪品も多いという評判ですが、いまだに需要が高い理由として、購入時に『足がつかない』ことがあげられます。彼らは、いわゆる一見さんでも、一声かけるだけでネタを売ってくれる。
路上販売スタイルだと、ネットと違ってメッセージのやり取りをする必要がないので、証拠が残らない。だから仮に、黒人キャッチが捕まろうが、購入者まで芋づる式で捕まる心配がないため、ある意味安心してネタを買えるんです」
実際に、歌舞伎町で黒人キャッチから薬物を販売されたことがあるという、都内在住の30代男性は当時をこう振り返る。
「その日は早めに飲み会が終わったので、新宿区役所通り付近を一人でフラフラ歩いていたんです。そしたら雑居ビルの前にたたずむ、大柄な黒人キャッチが『ヘイ、アニキ! 飲みに行くの? それとも女の子?』とか言って、握手を求めてきた。
僕自身も酔っ払っていたので、悪ふざけのつもりで『ノー! ドラッグ!』と答えると、そのキャッチは『オーケー!』と言ってスマホで誰かに電話をかけました」
ほどなくして現れたのは、先ほどの男性と同じような体格をした、黒人キャッチ。近くの雑居ビルに連れて行かれると、1階と2階の間にある踊り場でキャッチの足はぴたりと止まる。壁際に設置されていたメーターボックスを開けると、衝撃の光景が広がっていた。
「真っ白な紙袋が入ってて、その中をのぞくと、クスリが入った大量のパケが見えたんです。キャッチには『覚醒剤でもなんでもあるよ!』と言われましたが、まさか本当に買えるとは知らなかったので、『すみません、いま手持ちがなくて…』と断りました」(前同)
実際はどうなのか。8月下旬の深夜、歌舞伎町を訪れると、新宿区役所裏の通りには、この日も黒人キャッチが大勢たむろしていた。その数20人ほどだろうか。みなガタイがよく、タバコをふかしながら仲間たちと談笑している。その横を記者が通りかかると、例のごとく、「ヘイ、ブラザー!」と笑顔で握手を求めてきた。出身地を聞くと、ナイジェリアだという。
足を止めて話を聞いてみると、すぐに薬物売買を匂わせてきた。「コーク(コカイン)がいい? 草(大麻)がいい?」と尋ねてくる。だが、一向に購入の意志を示さない記者を怪しんだのか、「今日はもう帰るよ、ゴーホーム」と告げて去っていった。
彼らはいったい何者なのか。歌舞伎町にあるナイジェリア料理屋に取材を申し込むと、女性従業員はチラリと名刺に目を落とし、言葉少なにこう語った。
「あの人たちはビジネスで(歌舞伎町に)来た。ボスが六本木にいて、そのあと歌舞伎町に来た。なんのビジネスかはあなたには言えない。これ以上は分からない」
その一方で、取材を進めるうちに出会った埼玉県在住のナイジェリア人男性は、「歌舞伎町で働いてるナイジェリア人は一部だけ。誤解しないでほしい」と主張する。
「歌舞伎町の人たちは不良だから関わらない。私が知ってるナイジェリア人、みんな真面目だよ。私もふだん解体の仕事してるし、コンピュータの仕事してる友達もいる。将来のためにみんな頑張ってる。ああいう人たちだけじゃないよ」
一部の外国人のせいで、その国全体の評価が下がるのはやるせない。なにか大きなトラブルが起こる前に、警察も浄化に本腰を入れるべきだろう。
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