【参院選】失言、炎上なし…低調気味の討論会で期待高まる百田尚樹氏のトーク力

参院選(20日投開票)ではテレビやネットで各党のトップや幹部が出席しての討論番組が連日行われているが、これまで激しい討論や失言、炎上騒動は起きていない。安全運転に終始していることで、いまひとつ盛り上がりに欠ける事態となっている。
3日の公示前から討論会は行われ、日本記者クラブや民放各局は議員5人以上が所属する8つの国政政党を参加条件にしている。一方、NHKやニコニコは議員1人以上とハードルを下げていることで、公示後初の日曜となった6日はNHKの「日曜討論」、ニコニコの「ネット討論会」で、日本保守党と社民党を加えた10政党がそろい踏みとなった。
各討論会で目立つのは、自民党の石破茂総裁への追及があまりないことだ。「石破氏は長年、テレビ番組に出演していた論客で、厳しい質問にも真正面から答えずにいなす技術がたけている。各党トップは自分たちの政策アピールに終始し、つば競り合いの討論までにはなっていない」(永田町関係者)
それでも唯一、矢面に立たされているのは立憲の野田佳彦代表だ。民主党政権時代に消費税増税の方針を決めたにもかかわらず今回の参院選を前に1年間の食料品の消費税ゼロを公約に掲げたことで、公明党の斉藤鉄夫代表とれいわ新選組の山本太郎代表が毎回、クギを刺すのがお約束となっている。
低調気味の討論会で、起爆剤と期待されるのは保守党代表で作家の百田尚樹氏だ。石破首相をターゲットにした論戦を予告していたが、NHK番組では発言機会が限られたこともあって、まじめモードで、脱線はなかった。
百田氏はXで「言い訳するわけやないけど、発言機会がほとんど与えられない中、笑いを取りにいくことができんかった。けど、福島みずほさんは、質問されてないのに『ミサイルより米!』と叫んで笑いを取ってました。負けた!」と嘆いた。
保守党の島田洋一衆院議員は「司会がNHKでは、ツッコミ役がおらず、笑いを取るのは至難の業。しかし百田氏ならやるだろう。次に期待が膨らむ。百田氏のボケに即応できる党首がいれば人気急騰だろうが、まああのメンバーでは無理」と解説。会見やネット番組では言いたい放題の猊甘痛き瓩炸裂すれば、参院選への注目も集まりそうで、中盤戦以降に巻き返せるか。