《遺族が告発》自死職員は「上が最悪だから辞めたい」とLINE、遺書には… 茨城県庁で何が起きているのか〈県は「パワハラなし」と断定〉

「昨年の誕生日、LINEを送ったら〈上が最悪だから辞めたい〉と返信が来たんです。それまで仕事の愚痴なんて聞いたことがなかったのに、あの副知事の下で働くようになってから、弱音を吐くようになった。いま振り返ってみると、拓也は話を聞いてほしかったのだと。後悔しか残っていません」
【実際の写真】「あの副知事の下で仕事するのは限界」などとつづられた桜木拓也さん(仮名、享年41)の遺書
後悔を滲ませながら語ったのは、茨城県の飯塚博之副知事(62)の秘書を務め、昨年10月20日に自ら命を絶った桜木拓也さん(仮名、享年41)の遺族、Aさんだ。桜木さんは亡くなる5日前、飯塚氏からのパワハラに悩んでいたことを明かす遺書を残していた。
茨城県の飯塚博之副知事 時事通信社
桜木さんの自死を巡っては、死因を調査する第三者委員会も設置されたが、遺族のBさんは「第三者委の対応に納得はいっていない」と憤る。自死から10カ月、桜木さんの遺族2人が、「週刊文春」の取材に150分にわたって答えた――。
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県政担当記者が解説する。
「桜木氏の自殺後、県は遺族の要望を受け、昨年11月に極秘で第三者委員会を設置しました。今年2月、最終的に、飯塚氏と秘書課長を最も軽い処分の厳重注意とし、パワハラはなかったと結論づけました」

「週刊文春」は県の処分について「遺族は納得していない」と語る県庁関係者の証言などを今年3月13日発売号で掲載した。記事では飯塚氏について、
「打ち合わせでは、部下に対して重箱の隅をつつくような指摘をネチネチと長時間にわたり行う。怒鳴るようなあからさまなパワハラはないものの、かつての部下たちで精神的に疲弊させられた人は多い」
などの県庁関係者の声を紹介。また、その後、飯塚氏の任命権者の大井川和彦知事(61)についても、職員や県関係者へのパワハラ、公用車の私的利用、県の最高意思決定機関での議事録を残さないなど、「独裁」ともいえる県政の実態を報じてきた。
桜木さんが秘書として仕えた飯塚氏は、大井川氏の側近中の側近として知られる。県庁を定年退職後、新設された県庁改革推進官を経て2023年末に副知事となった。桜木さんは2022年4月から秘書課に配属となり、小野寺俊前副知事時代から副知事の秘書を務めていた。

桜木さんをよく知る県庁関係者の話。
「桜木さんは明るい人柄で、仕事をてきぱきとこなす優秀な職員でした。趣味は野球で、県庁内のスポーツ大会の幹事を務めるほど活発。野球もうまかったですよ。ですが、飯塚氏が副知事になってから、みるみる元気がなくなり、白髪が増えてやつれていった」
果たして桜木さんの身に何が起きたのか――。

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8月6日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および7日(木)発売の「週刊文春」では、亡くなった桜木さんの遺族に独占インタビュー。桜木さんが残した副知事のパワハラを訴える遺書の壮絶な内容、そして遺族が語る桜木さんの無念と、副知事の非道な行いの数々、大井川知事率いる県政に訴えたいこととは?
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年4月10日号)