ユーミンの豪邸もある「湘南の超高級エリア」に“異変”が! 独自ルールを無視して「ある家の天井がどんどん高くなっていった」

神奈川県逗子市の高台に位置する披露山(ひろやま)庭園住宅地。相模湾と江の島、晴れれば富士山が望め、松任谷由実(71)や小田和正(77)、財界の大御所が豪邸を構える。日本のビバリーヒルズとも称されるこの地で、ある異変が……。
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【実際の写真】天井がどんどん高く… 湘南の超高級エリアに現れた「ルール違反の大豪邸」
そうそうたる著名人が住むだけあって、土地は1区画300坪以上、土地・建物で5億~7億円、中には10億円級の物件もあるほどだ。そんな庭園に波風が立ち始めたのは昨夏のことだった。住民の一人がこう話す。
「ある区画で家の建設が始まったのですが、天井がどんどん高くなっていったんです。隣家の眺望が損なわれそうで、大丈夫なのかな、と」
その物件とは、曲線を使った斬新なデザインが異彩を放つ一軒家。施主は、ブランドプロデュースなどで躍進するトランジットホールディングス(東京都渋谷区)の社長、中村貞裕氏(54)だ。
実のところ、庭園住宅地には順守しなくてはならない事細かな「建築協定」がある。建物の高さ8メートル未満、隣家との境界は生垣、建築意匠は庭園との調和を考慮、家を建てる際は近隣住民に説明した上で同意を得る――など。厳しい制約だが、このおかげで高級住宅街としての眺望、景観、美観を長年、保てているという。
別の住民が続ける。
「今年4月、庭園の有志が近隣の眺望が遮られるなどと中村さんに指摘したところ、『やれることはやります』と答えたそうです。でも、進展はなく、業を煮やした有志が詳細な図面の提出や建築の一部修正を要請したのですが、のれんに腕押しとか。行政から建築許可が下りていても庭園のルールではさまざまな面で違反しているんですよね」
建物のトラブルではこんな事例がある。積水ハウスが東京都国立市で建設していたマンション(10階建て)を巡り、市民が、富士山の眺望や周辺住宅の日照に影響が出るとして反発、同社が「周囲への配慮が不十分だった」とし、昨年解体を決めた。
一連の騒動について、「週刊新潮」がトランジットに問い合わせをすると、「弊社代表の私的財産に関する事柄であり、お答えすることはできかねます」と回答。改めて本人の携帯電話にかけたが応答はなかった。ことの大小はともかく、庭園住宅地で起きた波紋は今後、幾重にも輪を描きそうだ。
撮影・福田正紀
「週刊新潮」2025年7月24日号 掲載