「体調が悪いからイヤ」
性的関係を拒否された男は、「大丈夫?」と交際女性を気遣うような素振りをみせる。キッチンから持ってきたのは、マグカップに入った温かいミルクティー。中には睡眠導入剤が入っていた――。
10月11日、警視庁巣鴨署は準強制性交の疑いで東京都渋谷区役所職員・石川隼大容疑者(29)を逮捕した。交際していた20代の女性Aさんに、性的暴行を加えたとされる。警察の調べに対し、石川容疑者は「性欲がたまっていて抑えきれなかった。ミルクティーに睡眠薬を入れ同意なく性行為を行ったのは間違いない」と犯行を認めているという。
「石川容疑者とAさんは、マッチングアプリを通じて今年1月に知り合いました。何度か2人で会った後、4月から交際開始。事件が起きた5月1日の夜は、石川容疑者が『一緒に映画をみよう』とAさんを豊島区の自宅マンションへ誘ったそうです。Aさんが石川容疑者の自宅を訪れたのは、この日が初めてでした。
しかしAさんは、部屋にテレビがなかったため不信感を抱きます。しばらく2人で酒を飲んでいると、石川容疑者がAさんの手を握り抱きつきキスをしてきたとか。Aさんが体調不良を理由にそれ以上の行為を拒否すると、石川容疑者はミルクティーを差し出しました。中身を飲み干したAさんは、帰宅しようと立ち上がった直後に記憶をなくしたそうです」(全国紙社会部記者)
意識を取り戻すと、Aさんはほぼ全裸の状態でベッドに寝かされていたという。被害に遭ったことを悟ったAさんは、その日のうちに警察へ相談。逮捕された石川容疑者は、市販のものではなく「病院で処方された薬を使った」と供述しているという。
「石川容疑者が渋谷区役所に入庁したのは、昨年4月です。生活福祉課に所属していました。普段はマジメで大人しく、勤務態度に問題はなかったと聞いています」(同前)
なぜ石川容疑者は、薬を飲ませてまで交際女性に性的暴行をはたらいたのだろうか。元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が推測する。
「認識が甘かったのだと思います。自分の彼女だから同意なく性行為におよんでも、まさか警察に訴えられることはないと考えていたのでしょう。普通は薬物を使用し強制性交すれば、犯行を隠蔽するため女性の記憶が戻る前に服を着せるものです。しかし今回の犠牲者は、ほぼ全裸の状態だったとか。容疑者は拒否されても性的行為をしようと、あらかじめ睡眠薬を準備していたのかもしれません」
渋谷区役所は「容疑が事実であるとすれば、はなはだ遺憾です。事実関係を確認した後、厳正に処分いたします」という趣旨のコメントを発表している。