日本の次世代大型ロケット「H3」初号機が、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)からまもなく打ち上げられる。
予定時刻は17日午前10時37分。全く新開発の国産液体燃料ロケットの打ち上げは、約30年ぶりとなる。
H3は、これまでの基幹ロケットH2Aの後継で、JAXAと三菱重工業が新たに開発した。衛星打ち上げを望む企業などの使いやすさを重視。H2Aに比べ打ち上げ費用や組み立て期間を半減することで、安く迅速な衛星打ち上げをアピールし、日本の宇宙ビジネスを拡大する役割を担う。
エンジン開発が難航し、燃料を送るポンプにひびや振動が生じるなどして、当初は令和2年度の予定だった打ち上げは2回にわたり延期。部品を徹底的に点検して対策を施し、ようやく今回の打ち上げとなった。
だいち3号は、地球の陸域を従来の3倍の精度で観測し、地震や豪雨、森林火災、火山噴火など災害の被害状況の把握に役立てることを目的とした国の衛星。防衛装備庁が開発した、多様な熱源が発する赤外線を宇宙空間から監視する装置も搭載し、弾道ミサイルの発射探知などに利用可能かどうかも検討する。