「見つかるか見つからないかというスリルを感じたかった。日々の仕事のストレスを晴らすためにやってしまいました」
男は、自身の犯したわいせつ行為の動機についてこう説明した。
3月15日に東京地裁で行われたのは、東京都迷惑防止条例違反に問われている作曲家・田中秀和被告(35)の初公判。田中被告は音楽業界の超有名人だ。
「人気ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』やアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』など、多くの作品に楽曲を提供しています。アイドルグループの曲も手がける音楽業界の超売れっ子です。アニメファンからは『神クリエイター』と呼ばれ、尊敬されていました。神戸大学発達科学部を卒業した秀才でもあります。
人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の挿入歌『God knows…』や『らき☆すた』のオープニングテーマ『もってけ!セーラーふく』を作曲した神前暁氏の紹介で、10年に音楽制作チーム『MONACA』に加入。’21年8月にフリーランスとなります。非常に勢いのあるクリエイターでした」(アニメ雑誌編集者)
そんな人気作曲家が法廷に立つキッカケとなったのが、昨年8月に都内の駐車場で犯した当時15歳だった少女へのわいせつ行為だ。「おカネをあげるからしてくれない」などと卑猥な言葉をかけたとされる。田中被告は「脚を露出していたので声をかけた」と説明。さらに検察側は「10年ほど前から(盗撮を)少なくとも数十回繰り返していた」と主張した。
『FRIDAYデジタル』は昨年10月27日に配信した記事で、事件について詳報している。再録して田中被告が犯行直後にとった、異様な行動を振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。
「別の駅で女性を見かけ、好みのタイプだったので後をつけた。一緒に電車に乗って、駐輪場までついていった」
警察の取り調べに対し、男はこう供述しているという。
警視庁碑文谷署は昨年10月24日、未成年の女性にわいせつ行為をしようとしたとして田中被告を逮捕した。有名作曲家が行なおうとした「わいせつ行為」とは、どんなものだったのだろうか。
「8月20日の夜10時過ぎ、田中被告は都内のターミナル駅で15歳の少女Aさんを見かけたようです。面識はなかったようですが、好みのタイプだったとか。田中被告はAさんを尾行し、東急線に乗り4駅にわたり後をつけます。
Aさんが降りた駅からも後をつけ、10分ほど歩いた場所にある駐輪場に入ったところで卑猥な言葉をかけたそうです。さらに腕を引っぱり人けのない暗がりへ。わいせつな行為をしようとしたと聞いています。Aさんは抵抗して逃げ、近くの交番に逃げ込みました。幸いケガはなかったようです」(全国紙社会部記者)
その後、Aさんは母親とともに警察へ被害届を提出。防犯カメラにはAさんの後をつける田中被告の姿が映っており、逮捕につながった。
「田中被告が楽曲を手がける『アイドルマスター』は10代の女性アイドルがメインキャラクターで、アニメ『アイカツ!』は小学生女児をターゲットにしています。少女への犯行は、あまりにも印象が悪い。今後、多くの作品で田中被告の楽曲が使用できなくなる可能性があるんです」(前出・編集者)
自身のYouTubeチャンネルでは、酒を飲みながらファンと穏やかに交流する姿が話題となっていた。だがAさんへの犯行後には、「神」とは思えない行動をとっている。田中被告の警察への供述だ。
「女性とは反対方向へ逃げた。通報されると思った」
田中被告は法廷で「罪を忘れることなく人生を歩んでいきたい」と謝罪した。