「トイレはどこですか?」は、「ありがとう」「いくらですか」に次いで、どの国に旅行に行こうが知っていて損はない表現だろう。それくらい誰もが必ず使用せねばならない空間であり、かつ国によって利用の仕方はさまざまだ。 韓国も然り。だからまず、今回は「トイレはどこですか?」という韓国語表現「ファジャンシル オディエヨ?」を覚えておこう。 【画像:えっこんなトイレも!? 韓国の驚きトイレ】暗証番号を入力せよ日本の場合はトイレが店内にない飲食店は珍しいが、韓国では店舗内にトイレを持たない店は多い。旅先のカフェで、「あれ? この店のトイレはどこ!?」と慌ててしまうことがあるかもしれない。韓国は、繁華街のビル内にある店舗の場合、各階に設置されているトイレを複数の店が共有で使用するのが一般的だ。だからトイレに行こうとすると、いったん店外に出ることになる。
韓国のトイレはどこも無料だが、ビル内のトイレは、関係者以外利用できないようにするために鍵がかかっており、暗証番号を入力することでドアが開くようになっている。トイレに行く際は店員に「ファジャンシル オディエヨ?」と尋ねると、場所と暗証番号を教えてもらえる。あるいは、レジの脇に暗証番号が貼られている店もあるので、トイレに行く前に番号を覚えていこう(※一部鍵がかかっていないトイレもあり)。
たいてい4桁の数字に※か#で終わる類の簡単なものなのだが、ほろ酔い気味のときなど、口の中でぶつぶつ呟きながら移動しても、トイレの前にたどり着いた頃には忘れてしまって、また店に戻って番号を確認する……という失態を犯した経験を持つのは、恐らく筆者だけではないはずだ。きっと現地の人も同じようなことを1度は経験している(に違いない!)。 もちろん店内にトイレがある店もわずかながらあるが、レストランやカフェ、居酒屋、美容院、多くの店が基本的にはこの「鍵付き共有トイレ」のシステムだ。日本人には慣れないスタイルだが、これが韓国のスタンダードである。
トイレットペーパーはある?さらにもう1つ気を付けたいことがある。トイレットペーパーの有無だ。基本的にいつもポケットティッシュを携帯しておくのがベストだが、持っていない場合は、店内に置いてあるトイレットペーパーを持参しよう。レジの脇や店の入り口にトイレットペーパーが置かれている店は、 トイレ内に設置されていないからだ。逆に店内にトイレットペーパーが準備されていない場合は、トイレ内にちゃんと設置されている場合が多い。
ちなみに、トイレに行こうとすると、他のお客さんの前で「あ、トイレットペーパーを持って行って」と店員が親切にトイレットペーパーの巻きロールごと手渡してくれるお店もある。何度経験してもこの瞬間はなぜか妙に恥ずかしいのだが、これは当然親切以外のなにものでもない。「あ、カムサハムニダ(ありがとう)」とにっこり笑って受け取ったら、ロールを抱き締めてトイレへ向かおう。
使いやすいトイレはここ店外に出てトイレを探したり、暗証番号を入力したり……が面倒くさいという韓国旅行ビギナーの人が利用しやすいトイレといえば次の場所だ。 デパート、複合ショッピングビル、ホテル、地下鉄、公園のトイレ。 これらの場所は常に開放されているので、いつでも誰でも自由に使用できる。
日本と違ってコンビニでトイレは使えない。トイレットペーパーは個室内に設置されている場合がほとんどだが、まれにトイレの入り口、手洗い場の隣の壁に大きなロールが設置されていることもあり、その場合は、各自ガラガラと使用する分だけ手に取ってから個室に入る。
地下鉄や公園のトイレも最近ではしっかり管理されている所が多いので、清潔な所が随分と増えた。
ただ、水圧が弱い所などもあり、公共のトイレはトイレットペーパーは直接流さず、備え付けのごみ箱に捨てる所が多いので気を付けよう。トイレの種類は、公衆トイレでも、和式より洋式が多い傾向にある。
家庭のトイレのスタイルは?さて、韓国の家庭のトイレはどうだろう? こちらも日本とはちょっと違う。韓国のそれはどちらかというと西欧的、つまりホテルなどと同じで、浴室、トイレ、洗面が一緒になった3点ユニットバススタイルが一般的だ。
3点ユニットバススタイルの長所であり、欠点でもあるのが、バスもトイレも一気に水掃除できるところとでも言おうか。その代わり、全体が濡れてしまうので、乾くまで当然床はビショビショ。バスタブの手前にシャワーカーテンを設置したり、シャワースペースだけをホテル風にガラスドアで囲むタイプもあるが、シャワーを使うとやはり床は濡れてしまう。
だから日本のトイレには布製のスリッパが置かれているのに対して、韓国の場合はどの家庭のバスルーム(トイレ)にも、入り口にビニール製のスリッパが置かれている。濡れた床の上も歩けるように、だ。 ちなみに一般家庭のトイレはそのまま紙を流す場合がほとんどなので、もし韓国の友人宅に招待されても、基本的に日本と同じような使い方をすれば大丈夫。トイレ自体は日本のものとは変わらない。
韓国のユニークなトイレいろいろ最後に韓国ならではの面白いトイレをいくつかご紹介しよう。