年末年始の風物詩とも言える福袋は、今年もさまざまな業界で販売されている。基本的には「お得の詰め合わせ」と認識している人が多いだろう。しかし、なかには“あまりお得ではない”福袋も存在する。それはどのように見分ければ良いのだろうか。
そこで今回は、福袋情報の専用サイト「福袋カレンダー」の管理人であるMOMOTA氏に「買ってはいけない福袋の見分け方」を聞いた。
◆ファッション系福袋には注意
MOMOTA氏は「私は福袋が好きで情報発信しているので『買ってはいけない』と言ってしまうのは心苦しいですが……」と前置きをしつつ、損をしないためのコツを解説した。
「まず注意しなければならないのはファッション系の福袋です。ファッション系は素材などによる肌感覚や色合いなど、自分の思い込みとの違いによるクレームが多くあります。そのため最近では、あまりのクレームの多さから業界全体的に『中身のわかる福袋』へとシフトしていきました。
そもそもファッション系福袋は、福袋用にアウトレット製造ラインで作られた商品を入れています。実際に店頭で売られている商品と比べると、少し素材の質を落として作られているため、手に触れて初めて不満に思うこともあるでしょう。
ただ、福袋の原点である『在庫を捌く』という意味合いで、実際に店舗で販売されている商品の『選べる3点福袋』といったタイプなら、素材で不満に思うことはないと思います。
つまりファッション系の福袋は、そのブランドの大ファンの人にはオススメできますが、そうでなければ注意が必要なのです」
◆福袋の謳い文句「◯万円相当」のからくり
続けてMOMOTA氏は、福袋でよく見かける謳い文句についてのからくりを解説。
「福袋の謳い文句で『7万相当が1万円』とか、よく見かけますよね。でもファッション系の場合、福袋用に製造した“どこにも売っていない商品”が入っているのに、金額を入れてしまうのはおかしな話なのですが、実はからくりがあるんです。
例えば5点セットの中に、実際にお店で販売した商品が1つでもあれば『あくまでの希望価格』の表示が可能なのです! このことも少し頭に入れて検討してみてください」
◆食品系福袋で損をしないコツ
MOMOTA氏が次に挙げたのは食品系の福袋について。こちらも損をしないためのコツがあるようだ。
「食品系の福袋は、有名なところでもギフトを福袋として販売しています。有名な食品会社などが福袋を出すとワクワクするじゃないですか。で、出た瞬間に私でもポチってしまうのです。しかしこれが届いた後に冷静になって中身の合計を計算すると、定価販売だったりするわけですよ。『それならば欲しい商品をバラで買ったほうが良かった……』となってしまいます。
なので食品系福袋で興味を持ったときは、必ず中身を計算してみましょう。ファッション系と違って、基本的に実際に販売されている商品の詰め合わせなので、計算してどのくらい得なのかをハッキリさせてから購入するのが損をしないコツかと思います」
◆ネットニュースでPRされている福袋は要注意
年末になると「〇〇が福袋の販売を開始」といったネットニュースを多く見るようになる。これについてMOMOTA氏は「信じない方がいいです」と語った。
「ネットニュースで宣伝してる『こんなにお得な福袋はない』という商品は、私からすると『こんなに損する福袋はない』と言えますね。多くは案件だと思うので仕方ないかもしれませんが……。とある洋菓子店の福袋がネットニュースで取り上げられていたので、中身を一つひとつ計算してみたところ、こちらも定価通りで売られていました。

ただ、送料分が無料になっていたりするので、定価から考えて“損をしている”というわけではないですが、送料くらいの値引きなら自分が好きなものを買う方が良いです」
◆「店長のオススメ系福袋」は避けたほうが良い
続いて「店長のオススメ系福袋」についての注意点を解説。こちらもネット販売系でよく見かけるが、MOMOTA氏は「お得に感じたことはないです」と語った。
「地域の有名店などで出している『店長のオススメ福袋』は、店の名前を汚すことを嫌うためにそれなりの福袋ですが、基本的にはあまり手を出さないことをオススメします。過去にこの手の福袋を3個ほど購入しました。よくよく考えてみれば、どこの誰だかわからないような店長のオススメを購入してしまった自分を悔いてます(笑)。内容はどれも全くお得感がない定価商品が詰まった福袋だったのです。
当然、なかにはスタッフさんが一生懸命に企画して作り上げる素晴らしい福袋も存在しますので、すべてではないことを付け加えさせて頂きますが……」
◆今年の福袋の傾向は
逆にオススメできる福袋について聞くと「家電やコスメはお得です。最初から中身も定価もわかるので、どのくらいお得なのかがハッキリわかるので」と解説。
そして、最後に今年の福袋事情について話を聞いた。
「今年は驚くほど福袋が少ないです。円安の影響もありますが、中国の新型コロナの影響が大きいようで。ファッションは福袋用の服が生産できない状況の企業もあるようです。そう考えると、クレームが多いファッション系は特に、福袋を出してくれるだけありがたいですね」
どうしても「得をしたい」という気持ちで購入する人が多い福袋。しかし「在庫処分」がルーツになっていることを考えつつ、ネット社会となった現代は、前もって得かどうかをリサーチしてから購入することがコツと言えるだろう。
取材・文/セールス森田