〈フジテレビ・オンカジ逮捕〉制作統括に続き、イケメンアナも…警察の狙いは芸人→野球選手ときて「次はマスコミ関係者」「逮捕できる人間はいくらでもいる」

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フジテレビのバラエティ制作部部長が常習賭博の疑いで23日逮捕された。オンラインカジノを国内から利用し、1億円超のギャンブルをしていたという。さらには翌日の24日、同社のアナウンサーも賭博の疑いで書類送検された。警視庁担当の記者によれば、「いまオンラインカジノの捜査の対象はマスコミ」だという。実際にオンラインカジノを利用したことのあるメディア関係者にも話を聞きつつ、その実態を追った。
〈画像〉ムキムキの筋肉、肉体美をケンタウロス姿で披露する書類送検された山本アナ
警視庁は23日、常習賭博の疑いで、フジテレビの社員でバラエティ制作部企画担当部長の鈴木善貴容疑者(44)を逮捕した。鈴木容疑者は人気番組「ぽかぽか」や「アウト×デラックス」などの演出を担当していた。
24年9月から25年5月までの間、鈴木容疑者は海外で運営されているオンラインカジノ「エルドアカジノ」に国内からアクセスし、バカラ賭博などをした疑いがある。この期間に鈴木容疑者は1億円を入金しており、収支はマイナス2400万円だったという。
フジテレビ社内の反響はどうだろうか。ベテラン社員が重い口を開く。
「鈴木さんは社内でもギャンブル依存症で有名だった。そこまでみんな驚いてないよ。別の社員やタレントさんから借金もしてたんでしょ。社内調査でも『2022年でやめた』とウソをついていたらしいし、逮捕は仕方ないなという感じ」
鈴木容疑者は5年前からオンラインカジノを始め、1カ月半の間に1億7000万円を賭けていたこともあったという。警視庁の調べに対して鈴木容疑者は「会社をなめていた。バレないと思っていた」「先輩から教わった」と供述しているという。
警察の動きはこれだけでは終わらない――。
翌日の24日、賭博の疑いで、警視庁はフジテレビ社員の山本賢太アナウンサー(27)を書類送検した。山本アナウンサーは24年5月から7月まで、海外のオンラインカジノサイトへ国内からアクセスし、640万円を賭けた。収支はマイナス23万円だったという。さらには、鈴木容疑者からオンラインカジノのアドバイスを受けていたという。
警視庁担当記者が、逮捕の裏側をこう語る。
「山本アナが書類送検で、鈴木容疑者が逮捕されたのは、①賭けていた額の大きさ、②社内調査で虚偽の説明をしたあとにもやり続けていた常習性、があったからと見られている。もともと警視庁保安課は、今年に入ってから鈴木容疑者に対し任意での事情聴取を行なっていた。
世間への注意喚起も含めたのが、今回の逮捕でもある。前々からずっと逮捕しようという話が上がっており、2週間前には着手することが確定していた。山本アナの書類送検を含め、株主総会がある6月25日までには終わらせようという狙いがあった」
予定されている逮捕に合わせ、テレビ局各社が21~22日にかけて、自宅やフジテレビ前で鈴木容疑者の顔の撮影を行なったという。そして23日の早朝、東京都品川区にある鈴木容疑者の自宅周辺には、カメラを持った多くのメディア陣が、逮捕の瞬間を撮影しにきていた。
ところが現場にいたテレビ局記者が当時の様子を語る。
「警視庁保安課の捜査員は清掃員の格好をし、乗ってきた軽自動車からモップや掃除機などを出して、マンションに入って行った。鈴木容疑者にも清掃員の格好をさせて、自宅から出た。
各社、まさかあの清掃業者が捜査員だとは思わず、日本テレビ以外、連行の現場を撮れなかった。保安課長の指示で、マスコミには絶対に撮らせたくなかったと聞いている。何に配慮したのか正直、異質な逮捕劇だった。(記者)クラブ内では『あれはないでしょ』と不満の声が相次いでいる」
相次いだTV局関係者の逮捕と書類送検。この流れについて、別の社会部記者が解説する。
「芸人から野球選手ときていま、マスコミ人らが捜査の対象になっていると言われている。テレビ局に関しては、免許事業で公共の電波を使って日々悪いことをした人たちをさらしてきた。公人と言っても構わないほど、影響力が大きいことは周知の事実。
去年末に大手オンカジの決済代行事業者を検挙してから、利用者のリストが出回っており、警視庁としても(逮捕者を)選び放題の状態。これからも大手キー局や新聞社の社員など、いくらでも書類送検される可能性がある。
正直、オンカジを利用した人は各社いる。警察庁の発表でも377万人が国内でオンカジを利用していたとされているから、メディア人がオンカジで遊んでいることは不思議ではない」
実際にオンラインカジノを利用したことがあるという大手キー局の30代社員にも話を聞けた。取材の旨を伝えると、「そのことか」と言い、小さな声で話し始めた。
「インフルエンサーがSNSで、オンカジに賭けて遊んでいる旨を投稿していたことから、存在を知った。海外のサービスだから大丈夫だと考えた。
実際に、22年に行われたサッカーW杯、23年のWBCで、数十万円を賭けてしまった。酒のつまみとして飲みながら見ていた試合が、賭けると応援に熱が入り、グラスを持つ手が止まり、氷は溶けていた。5万円ほどの利益が出た。その後も、オンカジを使いながら賭けて、後輩をJリーグの試合へ観戦しに行かないかなどと誘ったこともある」
男性社員によれば、オンラインカジノの賭け事は幅広く、バカラやポーカーといった世間一般的に知られているカジノゲームのほか、日本のJリーグの試合から大統領選まで、ありとあらゆるイベントに賭けることができるという。
「こんな話をするのもあれだが、自分は有名大学を出ている。しかし、まさか違法だとは思わなかった。ちゃんと調べるべきだった。今年1月の芸人の報道から、本当にやばいのではって…。
まだ事情聴取もされていないが、内心『いつ警察から連絡があるのか』と焦っている。オンラインカジノの場合、警察からまず電話があり、警察署に呼び出されることから始まると聞いている。本当にどうしよう。取り返しのつかないことをした。まだ上司にも報告しておらず、友達や同僚、上司や後輩にもとぼけてやりすごしている」
オンラインカジノ問題が話題となって半年。バレるバレないの問題の域をこえ、各々の倫理感が問われている。
※「集英社オンライン」では、今回の事件についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。メールアドレス:[email protected]@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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