鹿児島県の奄美大島沖で、出産中とみられるザトウクジラの様子が撮影された。
撮影に成功した同県奄美市の奄美クジラ・イルカ協会(興克樹(おきかつき)会長)によると、国内でザトウクジラの出産の様子が撮影されたのは初めてという。
16日午前11時半頃、協会のホエールウォッチング船が、同市笠利町の沖合2・7キロで腹部から子クジラのものとみられる尾びれを出している雌のクジラを発見。約2時間20分後には、そこから3・3キロ離れた場所で、尾びれの形状から同一とみられるクジラが子クジラを伴っている様子を確認した。
水中観察したところ、母クジラからへその緒の一部とみられるものが露出し、近くの海水が少量の出血で濁っていた。体長3・5メートルほどの子クジラには誕生時特有のシワもみられた。
興会長は「奄美の近海で出産していることは推測されていたが、記録できたのは初めてで、とても貴重なデータ。1年後には親子で戻ってくる習性があるので、成長の様子を観察したい」と話している。