栃木県那須町で登山訓練中の高校生ら8人が雪崩に巻き込まれて死亡した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われた責任者の教員らの裁判が開かれ、弁護側は「雪崩は予見できなかった」と改めて無罪を主張しました。
この事故は2017年3月、那須町で登山訓練をしていた県立高校の生徒ら8人が雪崩に巻き込まれ死亡したものです。
この訓練の引率にあたっていた猪瀬修一被告(56)ら3人は、新たに大量の積雪があり雪崩が発生する危険を認識していたにもかかわらず、情報収集や安全な訓練区域の設定をしなかったなどとして業務上過失致死傷の罪に問われています。
きょう宇都宮地裁で開かれた裁判で弁護側の冒頭陳述が行われ、3人の被告について「雪崩は予見できなかった」などと改めて無罪を主張しました。検察側の初公判での「漫然と訓練を行った」という指摘について、弁護側は事件当日の3人の行動に触れ、「スキー場から目視可能な範囲で、15センチの積雪と弱い風があったなどの情報収集を行っていた」「危険な区域を定め、訓練から除外した」と反論。「未然に事故を防止すべき注意義務を怠っていたとは言えない」と主張しました。
裁判の後、引率教員の1人として訓練に参加し事故で亡くなった毛塚優甫さん(当時29)の父親、辰幸さんが取材に応じました。
事故で息子を亡くした毛塚辰幸さん「息子の立場は新規採用教員で、山の経験のない素人。登山歴20数年の外国の積雪期の登山も行った講師の先生に新採教員が何か言って止めることができるはずがない。誠に腹立たしい」
息子の公輝さん(当時16)を亡くした奥勝さんは弁護側の主張について、「部活動で起こった事故で安全をはき違えている」と話しました。