6月下旬~7月初めに日本各地で観測された記録的な高温は、人間活動が原因の地球温暖化によって発生確率が240倍に高まっていたとの分析結果を、気象庁気象研究所などの研究チームが6日発表した。チームは「温暖化の進行とともに異常気象の発生確率と強さがさらに増加することが予測される」としている。
【学童野球は午後6時プレーボール そのとき気温は…】 極端な気象現象に温暖化がどれほど影響したかを定量的に分析する「イベント・アトリビューション(EA)」と呼ばれる手法を用いた。チームによると、6月下旬~7月初めにかけての高温は、南米ペルー沖の太平洋の海面水温が平年より低い状態が1年程度続く「ラニーニャ現象」と温暖化の影響で「5年に1度」程度の確率で起こり得る状態になっていた。一方、温暖化がないと仮定した分析では、同じラニーニャ現象があったとしても「1200年に1度」と極めてまれにしか起き得ないとの結果が出たという。
気象庁によると、6月下旬の平均気温の平年差は東日本で4度、西日本で3・2度高かった。群馬県伊勢崎市では6月25日に40・2度を観測し、国内で初めて6月に40度を超える事例となった。 気象研などは、これまでも2018年の西日本豪雨などを対象にEAを実施してきた。これまでは、結果についての論文が学術誌に掲載された際に公表するなど、異常気象の発生から1年以上経過してから発表するケースも多かった。今回はこれまでの研究の蓄積を生かして分析にかかる時間を短縮し、発生から2カ月程度での「速報」を試みた。 チームは「迅速に情報発信し、一人一人が温暖化の進行をより現実のものとして捉えることができるようにすることで、問題解決に向けた行動につなげていくことを目指す」としている。今回の分析は文部科学省の研究プログラムの一環で、東京大や京都大の研究者も参加した。【八田浩輔】
極端な気象現象に温暖化がどれほど影響したかを定量的に分析する「イベント・アトリビューション(EA)」と呼ばれる手法を用いた。チームによると、6月下旬~7月初めにかけての高温は、南米ペルー沖の太平洋の海面水温が平年より低い状態が1年程度続く「ラニーニャ現象」と温暖化の影響で「5年に1度」程度の確率で起こり得る状態になっていた。一方、温暖化がないと仮定した分析では、同じラニーニャ現象があったとしても「1200年に1度」と極めてまれにしか起き得ないとの結果が出たという。
気象庁によると、6月下旬の平均気温の平年差は東日本で4度、西日本で3・2度高かった。群馬県伊勢崎市では6月25日に40・2度を観測し、国内で初めて6月に40度を超える事例となった。
気象研などは、これまでも2018年の西日本豪雨などを対象にEAを実施してきた。これまでは、結果についての論文が学術誌に掲載された際に公表するなど、異常気象の発生から1年以上経過してから発表するケースも多かった。今回はこれまでの研究の蓄積を生かして分析にかかる時間を短縮し、発生から2カ月程度での「速報」を試みた。
チームは「迅速に情報発信し、一人一人が温暖化の進行をより現実のものとして捉えることができるようにすることで、問題解決に向けた行動につなげていくことを目指す」としている。今回の分析は文部科学省の研究プログラムの一環で、東京大や京都大の研究者も参加した。【八田浩輔】