フィリピンを拠点とする特殊詐欺事件について、指示役が実行犯から「ルフィ」と呼ばれたことから、メディアが「ルフィ事件」などと報道。
兼近に続いて「りんたろー。」の過去ツイートに非難…炎上の“出口”が見えないEXITは共倒れの危機 これに対しSNSでは、漫画「ONE PIECE(ワンピース)」ファンを中心に《いつまでルフィって呼ぶの??? 犯人の名前分かってるんだから実名だけ出せば良いのに》、《いい加減テレビはルフィ呼びやめろよ 実名出てるんやから、ふざけてるようにも見えるわ 人死んでんのに》などといった苦言が相次いでいる。一連の犯行で使われた「ルフィ」の由来は不明だが、やはり多くはワンピースの主人公「モンキー・D・ルフィ」を想定しているようだ。

2月7日には昼のバラエティー「ぽかぽか」(フジテレビ系)放送中、「速報“ルフィ”逮捕」の大きなテロップが表示されたほか、番組で司会を務める「ハライチ」の岩井勇気(36)が「ルフィ逮捕!」を連呼してネット上で批判を浴びた。 死者まで出ているだけに事件の凶悪性は明らかだが、米国心理学博士の鈴木丈織氏は「メディアが容疑者を漫画キャラクター呼ばわりすると、どうしても凶悪事件の印象が軽減されてしまう」としつつ、一連の犯罪についてこう指摘する。「今回の一連の事件の指示役は、実行犯が強盗を行う際の『良心の呵責』が強まらないようにするために、『ルフィ』という名前を意図的に使ったと考えられます。『ワンピース』では『ルフィ』はヒーローですから、それを連想させることで実行犯に自身をルフィの部下だと錯覚させ、『そんなに悪いことをしているわけではない』という思い込みを与え、凶悪な犯行を実行しやすくしたのでは」■グリコ森永事件では「かい人21面相」が盛んに使われる 加えて鈴木氏は、メディアが「ルフィ事件」などと称することには「別の意味」もあると指摘する。「呼称がキャッチーなことから、事件を忘れにくくなるという効果もあるのです。事件を将来振りかえる際、知名度の高い『ワンピースのルフィ』と結びつくからです。ただ、それでも事件の印象が軽くなるという悪影響は確実にあるので、実名のみの報道に切り替えるべきでしょう。現状の報道が続く限り、メディアがふざけているという印象を抱く方が出てくるのはもっともなことです。そもそも日本には窃盗を『万引き』、恐喝や暴行を『いじめ』と称するなど、悪事を矮小化してしまうことがありますから」 過去には1984年と85年に発生したグリコ・森永事件で、犯人グループは「かい人21面相」と名乗った。これは江戸川乱歩の探偵小説『少年探偵シリーズ』に登場する大怪盗「怪人二十面相」に由来するとみられる。 実行犯たちの犯罪に対するハードルを下げたのはもちろん、事件が発覚した際に叩かれにくくすることまで狙っていたとしたら、指示役のズル賢さは相当なものだろう。
これに対しSNSでは、漫画「ONE PIECE(ワンピース)」ファンを中心に《いつまでルフィって呼ぶの??? 犯人の名前分かってるんだから実名だけ出せば良いのに》、《いい加減テレビはルフィ呼びやめろよ 実名出てるんやから、ふざけてるようにも見えるわ 人死んでんのに》などといった苦言が相次いでいる。一連の犯行で使われた「ルフィ」の由来は不明だが、やはり多くはワンピースの主人公「モンキー・D・ルフィ」を想定しているようだ。
2月7日には昼のバラエティー「ぽかぽか」(フジテレビ系)放送中、「速報“ルフィ”逮捕」の大きなテロップが表示されたほか、番組で司会を務める「ハライチ」の岩井勇気(36)が「ルフィ逮捕!」を連呼してネット上で批判を浴びた。
死者まで出ているだけに事件の凶悪性は明らかだが、米国心理学博士の鈴木丈織氏は「メディアが容疑者を漫画キャラクター呼ばわりすると、どうしても凶悪事件の印象が軽減されてしまう」としつつ、一連の犯罪についてこう指摘する。
「今回の一連の事件の指示役は、実行犯が強盗を行う際の『良心の呵責』が強まらないようにするために、『ルフィ』という名前を意図的に使ったと考えられます。『ワンピース』では『ルフィ』はヒーローですから、それを連想させることで実行犯に自身をルフィの部下だと錯覚させ、『そんなに悪いことをしているわけではない』という思い込みを与え、凶悪な犯行を実行しやすくしたのでは」
■グリコ森永事件では「かい人21面相」が盛んに使われる
加えて鈴木氏は、メディアが「ルフィ事件」などと称することには「別の意味」もあると指摘する。
「呼称がキャッチーなことから、事件を忘れにくくなるという効果もあるのです。事件を将来振りかえる際、知名度の高い『ワンピースのルフィ』と結びつくからです。ただ、それでも事件の印象が軽くなるという悪影響は確実にあるので、実名のみの報道に切り替えるべきでしょう。現状の報道が続く限り、メディアがふざけているという印象を抱く方が出てくるのはもっともなことです。そもそも日本には窃盗を『万引き』、恐喝や暴行を『いじめ』と称するなど、悪事を矮小化してしまうことがありますから」
過去には1984年と85年に発生したグリコ・森永事件で、犯人グループは「かい人21面相」と名乗った。これは江戸川乱歩の探偵小説『少年探偵シリーズ』に登場する大怪盗「怪人二十面相」に由来するとみられる。
実行犯たちの犯罪に対するハードルを下げたのはもちろん、事件が発覚した際に叩かれにくくすることまで狙っていたとしたら、指示役のズル賢さは相当なものだろう。