2003年に東京・奥多摩町で切断された男性の遺体が見つかった事件で、南アフリカに逃亡した後、17年後に逮捕・起訴された男に対し、検察側は懲役20年を求刑しました。
紙谷惣被告(48)は、仲間と共謀して、2003年に山梨県内で飲食店の元店員・古川信也さん(当時26)を殺害したうえ、遺体を切断し遺棄した罪などに問われています。
紙谷被告は事件後、南アフリカに逃亡し、17年経った2020年に逮捕・起訴されていて、これまでの裁判では、遺体の切断や遺棄などは認めたものの殺害への関与については否定していました。
きょう午後、東京地裁で開かれた論告求刑公判で、検察側は「殺害に関する話し合いに参加するなど準備段階から積極的に殺害に関与していた」などと指摘し、殺人罪は成立すると主張。
「明確な殺意にもとづいた残虐・非道な犯行で同情の余地は全くない」として懲役20年を求刑しました。
一方、弁護側は「被告は被害者を殺そうなどとは思っておらず、殺害現場にもいなかった」などとして、殺人罪には当たらないと指摘し「懲役5年が相当である」と主張しました。
また、きょうは被害者である古川さんの母親が法廷で意見陳述し、「被告を絶対に許すことはできません。死刑になることを望みます。かなわぬなら法律で可能な限り厳しい処罰をしてほしい」と涙ながらに訴えました。
裁判は、きょうで結審し、判決は来月7日に言い渡される予定です。