全国で相次いだ強盗事件をめぐり、フィリピンの首都マニラにあるビクタン収容所から実行犯に指示を出していたとみられる渡邉優樹容疑者(38)、今村磨人容疑者(38)、藤田聖也容疑者(38)、小島智信容疑者(45)のうち、今村と藤田の両容疑者が7日にフィリピンから強制送還され、午後2時37分、警視庁の捜査員に伴われて千葉・成田空港に到着した。
7日朝、マニラにある収容施設前には多くの現地警察と報道陣でごった返した。ニノイ・アキノ空港に移送された2人は、黒のTシャツとブルーの短パンにサンダルというラフな格好。しかし、後ろ手にはしっかりと手錠をかけられて、Tシャツの下には防弾チョッキのようなものを身に着ける異例の超厳戒態勢のなか飛行機で出国し、移送中の飛行機内で2019年の特殊詐欺事件に関与した疑いで逮捕された。
飛行機内では最後尾に座っていたという今村と藤田の両容疑者。離着陸時以外は緑色のカーテンで仕切りがされて中の様子をうかがい知ることはできなかったというが、同じ便で帰国した男性の乗客によれば「今村容疑者は周囲をきょろきょろと見て落ち着かない様子で、捜査員に水を要求したりしていた。藤田容疑者はずっと目を閉じているのが見えた」という。
成田空港到着時もフィリピン出国と同じTシャツ短パン姿だった2人は、警視庁の捜査員に伴われて空港内に姿を見せると、報道陣の質問には一切反応せず。このときも手錠はされた状態で、別々の車両に乗せられて都内の警察署に移送された。
4人はフィリピンを拠点にした特殊詐欺グループの幹部だったとされ、被害総額は少なくとも60億円以上と見られている。また、先月19日に東京・狛江市で90歳の女性が殺害された強盗殺人事件など、全国で相次ぐ強盗事件の主犯格爛襯侫瓩硫椎柔を指摘されており、今後取り調べが行われる。
残りの渡邉と小島の両容疑者は早ければ明日にも強制送還される見通しだ。