7月に入って、百八竜会改め「佰八龍會(ひゃくはちりゅうかい)」(竹本均会長)と「2代目宅見組」(入江禎組長)とが友好団体になる旨の情報が拡散された。両組織は神戸山口組にいったんは所属したものの、そこを離れ、その後は独立組織として活動を続けてきたという共通点がある。
しかしその一方で、2代目宅見組の方は本部事務所を売却にこぎつけ、解散を視野に入れているとされる。
この連携の意味と「深度」とは?
【写真を見る】総資産は1兆円に達するとも噂され、権力の絶頂にあった5代目宅見組の宅見勝若頭の鋭い眼光 ここまでの経緯を振り返っておこう。 入江組長率いる2代目宅見組は昨年9月に神戸山口組を離脱した。理由は神戸山口組の井上邦雄組長との路線対立だった。売却されて解体された2代目宅見組ビル「神戸山口組は池田組と2社連合を締結しましたが、それを主導したのが当時副組長だった入江組長でした。池田組は絆會と運命共同体を標榜していることから、当初は3社連合だと指摘する声もありましたが、井上組長としては組織を冒涜するような形で去った絆會の織田絆誠代表を許すことができず、入江組長との間に溝が生まれていたようです」 と、担当記者。ナンバー2と揉めて ちょうどその頃、織田代表のボディガートの慰霊に関する行事が行われることになっており、その場に神戸山口組側の幹部2人が出席することになっていた。このボディガードは2017年、神戸山口組のヒットマンが織田代表を襲撃した際に、射殺された人物。つまり襲撃した側が被害者の慰霊に訪れるという形になっていたのだ。「出席するように促したのは入江組長で、2社連合を結ぶ池田組と関係を深めるためには、絆會との関係も修復しておかなければならないと考えたわけです。しかし井上組長はそれをよしとせず、出席した2人をなじり、殴打したとも伝えられました。それを聞いた入江組長は呆れ果て、組織を抜けることになったというわけです」(同) もう一方の当事者、佰八龍會の竹本均会長もまた別の事情から神戸山口組から離れていった人物である。もともとは神戸山口組若頭補佐だったのだが、今年3月に神戸から破門状が出ている。ナンバー2である小嶋恵介若頭と揉めたのがきっかけだとされる。“高山清司若頭を狙う”「竹本会長はその後、独立組織として活動しながら、“(6代目山口組の)高山清司若頭の生命を狙う”と豪語しているとも伝えられていました」 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。 そんな竹本会長と入江組長との連携情報はどう読むべきなのか?「2代目宅見組の鹿田次郎副組長によると、連携自体を否定していました。佰八龍會は独立組織と言っても若い衆は3人とか5人ほど。活動らしきことができるレベルではなさそうです。実態としては連携ということではなく、ままならない日々の中で、入江組長の保護下に入れてもらったのが本当のところだと取り沙汰されています」(同) 2代目宅見組をめぐっては、少し前に報じられたように、3年ほど前に売りに出されていた大阪市内の本部の売却がようやく決まった。その経緯については、すでにお伝えした通りで、売値は破格の3億3000万円で、実際に買い取った人物の背後に“フィクサー”がチラつくとの指摘もあった。分裂から8年「本部売却で、入江組長としてもホッとひと息ついたというところではないでしょうか。往時に比べて激減した若い衆の移籍先を元々所属していた6代目山口組側に確保したうえで、自分自身はカタギになる決意を固めた可能性もあると見られています。今回の佰八龍會との”連携“はそのことと無関係でしょう」(同) 暴力団対策法に基づき、そもそも本部事務所は使用制限がかけられており、幹部らが集まることもできなかった。組織としての“終活”を進めるかのように見える入江組長の動きは、山口組分裂から8年が経過する今年8月を見据えているのだろうか。デイリー新潮編集部
ここまでの経緯を振り返っておこう。
入江組長率いる2代目宅見組は昨年9月に神戸山口組を離脱した。理由は神戸山口組の井上邦雄組長との路線対立だった。
「神戸山口組は池田組と2社連合を締結しましたが、それを主導したのが当時副組長だった入江組長でした。池田組は絆會と運命共同体を標榜していることから、当初は3社連合だと指摘する声もありましたが、井上組長としては組織を冒涜するような形で去った絆會の織田絆誠代表を許すことができず、入江組長との間に溝が生まれていたようです」
と、担当記者。
ちょうどその頃、織田代表のボディガートの慰霊に関する行事が行われることになっており、その場に神戸山口組側の幹部2人が出席することになっていた。このボディガードは2017年、神戸山口組のヒットマンが織田代表を襲撃した際に、射殺された人物。つまり襲撃した側が被害者の慰霊に訪れるという形になっていたのだ。
「出席するように促したのは入江組長で、2社連合を結ぶ池田組と関係を深めるためには、絆會との関係も修復しておかなければならないと考えたわけです。しかし井上組長はそれをよしとせず、出席した2人をなじり、殴打したとも伝えられました。それを聞いた入江組長は呆れ果て、組織を抜けることになったというわけです」(同)
もう一方の当事者、佰八龍會の竹本均会長もまた別の事情から神戸山口組から離れていった人物である。もともとは神戸山口組若頭補佐だったのだが、今年3月に神戸から破門状が出ている。ナンバー2である小嶋恵介若頭と揉めたのがきっかけだとされる。
「竹本会長はその後、独立組織として活動しながら、“(6代目山口組の)高山清司若頭の生命を狙う”と豪語しているとも伝えられていました」
と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。
そんな竹本会長と入江組長との連携情報はどう読むべきなのか?
「2代目宅見組の鹿田次郎副組長によると、連携自体を否定していました。佰八龍會は独立組織と言っても若い衆は3人とか5人ほど。活動らしきことができるレベルではなさそうです。実態としては連携ということではなく、ままならない日々の中で、入江組長の保護下に入れてもらったのが本当のところだと取り沙汰されています」(同)
2代目宅見組をめぐっては、少し前に報じられたように、3年ほど前に売りに出されていた大阪市内の本部の売却がようやく決まった。その経緯については、すでにお伝えした通りで、売値は破格の3億3000万円で、実際に買い取った人物の背後に“フィクサー”がチラつくとの指摘もあった。
「本部売却で、入江組長としてもホッとひと息ついたというところではないでしょうか。往時に比べて激減した若い衆の移籍先を元々所属していた6代目山口組側に確保したうえで、自分自身はカタギになる決意を固めた可能性もあると見られています。今回の佰八龍會との”連携“はそのことと無関係でしょう」(同)
暴力団対策法に基づき、そもそも本部事務所は使用制限がかけられており、幹部らが集まることもできなかった。組織としての“終活”を進めるかのように見える入江組長の動きは、山口組分裂から8年が経過する今年8月を見据えているのだろうか。
デイリー新潮編集部