維新の一部の議員が、社会保険に加入する目的で京都市内にある一般社団法人「栄響連盟」の理事となり、本来よりも支払う保険料を少なく支払う「国保逃れ」をしていた疑惑。 日本維新の会の“生みの親”はこの現状をどう見るのか?MBS行政キャップ・木村圭佑記者の解説を交え、日本維新の会・元代表の松井一郎氏が独自見解を語りました。
通常、個人事業主や議員は「国民健康保険」への加入が義務づけられており、保険料は全額自己負担となります。一方で、会社員などが加入する「社会保険」は保険料を事業者と折半するため、負担額が抑えられる傾向にあります。
疑惑が持たれている4人の議員は、一般社団法人「栄響連盟」の理事に就任。法人側へ月額3.4万円~5万円の「会費」を支払う一方で、法人から月額1万1700円という少額の「報酬」を受け取っていました。
社会保険労務士の床田知志氏は、この報酬額について「約1万1000円が社会保険料に消え、手元にはほとんど残らない計算になる」と指摘します。では、なぜ持ち出し(赤字)になってまで理事を務めるのか。そこで出てくるのが今回の疑惑です。
例えば、月収約80万円の兵庫県議の場合、国民健康保険であれば年間で約100万円の保険料を納める必要があります。しかし、法人の理事となって「社会保険」に切り替えれば、法人への会費(年60万円)を支払ったとしても、トータルの支出は国保加入時より年間約40万円も安くなる計算になるのです。
今回の疑惑を松井氏は厳しく批判。
(松井一郎氏)「維新の会は、住民感覚とずれた行政運営を正していこうと、橋下(徹)さんと僕で作ったんです。それが維新の会の理念なのに、完全に納税者の目線とずれている。この行為自体が違法かどうか確定的なことは言えないかもしれないけど、どう見ても制度の悪用。早くバッジを外すべきだと思うね」
「吉村さんは優しいから『全てが明らかになった時点で』と言っているけど、維新の会の理念を忘れれば、もうバッジは外しなさいよと。執行部はとっとと辞職を促すのが当然」
そもそも一般社団法人の「栄響連盟」とはどのような法人なのか。登記簿によると…
事務所:京都市目的:社会保険料や年金をはじめとする知識向上のための勉強会を実施 個人事業主へのカウンセリング事業などを行う理事の仕事内容:月に2回、金融や年金に関するアンケートに回答する
また、栄響連盟には660人以上が理事として登録されているということです。
登記に記載された京都市内の住所を訪ねると、「栄響連盟」ではなく、看板には税理士法人の名前が記載されていました。取材を試みましたが、応答はありませんでした。
また、取材班は栄響連盟が発行しているパンフレットとみられるものを入手。そこには「国保逃れ」をすすめるような内容が書かれています。
【パンプレットとみられる資料に書かれた内容】※一部抜粋私たちにできること「国民健康保険加入者の個人事業主様を社会保険適用者に切り替える」
メリットー匆駟欷嬰用者になれる月々の保険料負担額を軽減できるJ欷盈蘇蘆瓦両緇採┐鯊臧に落とせるぜ匆馘信用の向上が期待できる
維新の所属議員807人への調査結果によると、▼類似法人に関与:4人 ▼法人に勧誘を受けたことがある:19人 ▼党関係者から勧誘を受けた:13人。
栄響連盟に関与していた4人は、去年12月10日に大阪府議会でこの話題が公になった翌日、翌々日に法人の理事を辞任したということです。
(松井一郎氏)「絶対に自分が正しい、この法人のために仕事をしているということであれば辞めないです。すぐに辞任するということは、いかがわしい手段を使ってしまったという意識があるんでしょうね」
この4人の議員に取材を試みたところ、直接接触できた神戸市議は「本部の方から調査を受けているのでごめんなさい、ご理解いただけたら」との回答。ほか3人は、取材を申し込んでも返信がない・接触ができない・年明けから登庁していないといった状況で、現時点で公の場での説明はしていません。
維新の会はさらに調査を続け、議員4人について今後、処分する方針を明らかにしました。
栄響連盟はホームページで、「疑義の指摘は事実に反する内容であり、当該指摘がされていることにつき遺憾の意を表します」とコメントしています。
政治家としての資質が問われる事案が続く日本維新の会。今回の“国保逃れ”疑惑以外にも、カネをめぐるさまざまな問題が指摘されています。
▼藤田共同代表の公設秘書への公金還流疑惑▼奥下衆院議員の政治資金でキャバクラ・ラウンジ支出▼所属地方議員が政治資金収支報告書を2年連続未提出
日本維新の会のガバナンスはどうなっているのか。維新の生みの親である松井氏は「吉村代表は優しくていい人だが、もう少し怖がられることが必要」と指摘。その上で、上に挙げた3つの問題についてこう述べます。
「(議員を)即座に辞職するという話ではないと思います。ただ、緩み・たるみの部分は見直していくべき。緊張感を持って仕事しなさいよという話だと思います」
また、今や自民と連立を組んで与党という立場である維新について「ますます気持ちを引き締めないと」と発言。
「結党から今年で16年。年数が経つことで緩み・たるみ・おごりが出てくる。逆なんです。だからこそもっと結党時の思いを再認識しないと。それを忘れることが緩んでくる一番の原因になっていると思います」