〈《名古屋主婦殺害》「すごく大人しい」安福久美子容疑者が被害者夫に「何度も告白」「2年連続で手紙付きチョコ」も…高校時代に告白を断られた過去〉から続く
1999年11月13日、名古屋市西区のアパートに住む主婦・高羽奈美子さん(当時32)が、何者かによって刺殺された。事件から26年後に逮捕された容疑者は、奈美子さんの夫・悟さん(69)の高校の同級生で同じソフトテニス部に所属していた安福久美子容疑者(69)だった。(前回から続く)
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現在配信中の「週刊文春 電子版」および発売中の「週刊文春」より記事の一部を抜粋してお届けする。
愛知県豊橋市内にある昔ながらの喫茶店で、ひと組の若い男女が向かい合って座っていた。高度経済成長も終わりを迎えた1975年のことだ。
男は私立大学の学生で、女は受験浪人中の身だった。
「やっぱり君の気持ちには応えられないよ」
男がそう告げると、女は突然号泣し始めた。店内の他の客から見れば、その様子はよくある男女の痴話喧嘩のようにも見えたかもしれない。だが、男は困惑しつつ内心こう思っていた。
「大学まで勝手に押しかけて来て、なんで泣かれなきゃいけないんだよ……」
それから24年後。女は情念を募らせ、男の妻に対して、刃物を振りかざした――。
◇
悟さんと同じソフトテニス部だった(高校の卒業アルバムより。同級生提供)
高校を卒業後、悟さんは私立愛知大学に進学し、安福は1浪した後、愛知県立大学に入学。別々の道を歩むことで、その恋心も薄れるかと思われたのだが……。
「彼女が僕のテニスの試合を見に来ていたようなんです。友達から『お前の試合に引っ付いて応援している女がいるぞ』って聞かされて。だけど僕から『応援ありがとね』なんて言葉は一切かけなかったし、会話もしなかった。そんなことをしたら、ややこしい事になると思ったから」(同前)
それでも安福の“ストーカー行為”は収まらず、ついには悟さんの大学まで押しかけ、テニスの練習が終わるまで待ち伏せされていたこともあった。
悟さんが続ける。
「無下に帰すわけにも行かないから、仕方なく大学近くの喫茶店に連れて行って話をしたんですよね……」
それが本記事の冒頭の場面だ。安福は人目も憚らずに号泣して、悟さんを困らせた。
「よほど驚いたんでしょうね。兄は家でそのことを喋っていました」(悟さんの妹)
だが、それ以来、安福が悟さんの前に現れることはなくなったという。
次に再会したのは、4半世紀近く経った99年6月。ソフトテニス部のOB会でのこと。20人程のこぢんまりとした同窓会だった。
そして、その5カ月後に事件が起きる。一体、何があったのか。
〈この続きは「週刊文春 電子版」で読むことができます。記事全文では「高校時代高羽悟さんに2度チョコ、大学でもフラれて号泣」「『鉛筆が当たって』息子の入学式で同級生保護者に激高」「夫は名古屋大学卒一流自動車部品メーカー勤務のエリート」「『私がいる間に絶対捕まえる』昨春赴任強面刑事の執念」などのトピックを詳しく報じています〉
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年11月13日号)