自衛隊栃木地方協力本部(宇都宮市)で、上司からパワーハラスメントを受けたり、公益通報したことで降格されるなどの不当な扱いを受けたりしたとして、事務官や自衛官ら3人が国に計約534万円の損害賠償を求めて宇都宮地裁に提訴したことが分かった。
提訴は今年7月8日付。
訴状によると、男性事務官は2023年9~12月、同本部の男性3等空佐からパワハラを受け、うつ病などに罹患(りかん)し、1年以上療養した。この様子などを見聞きした男性3等陸佐は、自衛隊内のパワハラ相談窓口などに事態を報告したが、その後、降格させられた。
また、男性1等陸尉は24年9月、別の男性3等陸佐から約10分間、「次同じようなことをしたらタダじゃおかねえからな」などと机をたたきながらどなられ、不眠症などを発症した。防衛省の公益通報の担当者などに相談したが、上司の栃木地方協力本部長から「公益通報があったから、配置換えする」などと言われ、降格させられた。
同本部は10日、読売新聞の取材に対し、「訴訟については把握しているが、詳細については裁判に影響するため答えられない」とし、「関係機関と十分に調整の上、適切に対応していく」とコメントした。