介助を担当していた高齢者から通帳などをだましとったとして、京都府警は13日、認知症高齢者らの支援を行う一般社団法人「つなぎ」(京都市左京区)の理事の男(61)(同)ら2人を詐欺容疑で逮捕した。
男は府警の元警察官で、2人はいずれも容疑を否認しているという。
他に逮捕されたのは、保険外交員の女(55)(京都市西京区)。
発表では2人は共謀し、3月7日、サービスを利用する一人暮らしの女性(96)に「通帳をまとめた方が便利」などとうそを言い、通帳やキャッシュカードを詐取した疑い。
6月、不審に思った女性の親族が府警に相談し、事件が発覚した。女性名義の口座には複数の出金記録があり、府警は、現金を無断で引き出された可能性があるとみて調べる。
つなぎは、理事の男が府警退職後の2023年春、府警OGで代表理事を務める女性(63)と設立。公式サイトでは、事業内容について「警察OBが運営する認知症サポートサービス」「警察に保護された認知症の高齢者を家族に代わり迎えに行く」などとしている。
代表理事の女性は取材に対し、「高齢者をだまそうと思って法人の運営を始めたのではなく、申し訳ない」と陳謝した。