残暑が続く中、日本有数の海水浴スポットとして知られる神奈川県逗子市の逗子海岸で起きた「救出劇」が波紋を広げている。
波打ち際に乗用車が乗り入れて立ち往生し、消防や警察が出動して救出する様子がSNSで拡散。ネット上では「なんで入ったんだ」「禁止されているのではないのか」と批判や疑問の声が相次いだ。
神奈川県は、海水浴場での無断の車両走行を禁じる条例を設けているが、県警は9月9日、弁護士ドットコムニュースの取材に「条例違反を含めて調査中」と回答した。
投稿された写真や動画には、波打ち際に停止した乗用車が、砂と海水にはまり込んで身動きできなくなった様子が映っている。その後、夜になって消防や警察が駆けつけ、車両は救助された。9月7日の出来事だ。
車のすぐ隣には水上バイクが写っており、このバイクを引き上げようとした際に動けなくなったとみられる。
通常、逗子海岸の出入口には車止めが設置され、一般車両は進入できないようになっている。しかし、逗子市によると、この日は「海の家」の解体作業があり、許可を受けた工事車両が出入りしていたという。
一方、県によると、立ち往生した車は工事車両ではないことなどから「おそらく許可を受けていない車」だという。
神奈川県迷惑防止条例は、海水浴場や河川敷など、通常、一般の交通に使われない場所で「みだりに自動車などを走行させ、公衆に著しく不快の念を抱かせるような行為」を禁止している(13条3項)。違反すれば、50万円以下の罰金や拘留、科料を科される可能性がある。
県警逗子警察署は「条例違反を含め、各種法令違反を含め調査中」としたうえで、「水上オートバイクの積み下ろしは、決められた出入口エリアからおこなってください」と注意を呼びかけている。