今シーズン、インフルエンザ脳症が増加する可能性が指摘されている。重篤化すると、呼吸障害や後遺症、場合によっては死に至るリスクもあるという。発熱後の視線異常など普段と違う反応に注意し、早期受診が重要だという。
分からないことも多い「インフルエンザ脳症」について解説する。
青井実キャスター:一部の医療関係者からは、インフルエンザ脳症が今シーズンは、「増加傾向か」という話も出てきているということです。
木村拓也キャスター:あらためて「インフルエンザ脳症」とは、インフルエンザ患者に発症する可能性のある合併症で、5歳以下の子どもに多くみられるものです。
発熱してから早い段階で、意識が不安定になったり、けいれんなどが見られます。重篤なケースでは、発症して1日以内に呼吸障害になることもあり、命を落とすこともあります。「死亡率」を見ると約10%と非常に高く、また約25%には、「後遺症」で体にまひなどが残ることもあるといいます。
青井キャスター:「インフルエンザ脳症」、心配ですね。
スペシャルキャスター・山口真由さん:後遺症も、やっぱり高次脳機能障害とか、結構重篤なものがあるので、子どもがインフルエンザになった時、すごく心配だなと思ったんですが、インフルエンザの一般的な症状として、うちの子も“せん妄”が出て、これが意識障害とどう違うんだろうっていうのは、すごく難しいなと思うんですね。
青井キャスター:あと、どれぐらい報告されているかということですよね。
木村キャスター:国立感染症研究所によりますと、シーズンごとの数字が出ていて、2015/16シーズンですと、報告数で224例、亡くなった方が17人います。
これは毎年、だいたい100例から200例ぐらい報告されていて、亡くなっている方も2桁に乗る年数が非常に多いということが言えます。今シーズンはまだ、もちろんデータを取りきれてないんですが、医療関係者によりますと、「増加傾向」という見立てがあるので、非常に心配だということです。
青井キャスター:「インフルエンザ脳症」に気づくことができるポイントはありますか?
木村キャスター:「いとう王子神谷内科外科クリニック」の伊藤博道院長に伺いました。
「インフルエンザ脳症」に気がつけるかもしれないポイントは、視線が合わないなど、いつもと反応が違う、異常に怖がる、モノの区別があやふやで食べ物でないものを食べてしまう、幻覚が見えている様子などが挙げられます。
この症状がすべてインフルエンザ脳症とは言い切れませんが、「インフルエンザ脳症」の可能性もあるので、小児の専門医の高度な医療が必要だということです。初期症状に気づくことが大切です。
青井キャスター:お子さんは、見ておかなければなりませんよね。
遠藤玲子キャスター:小さい子どもは、自分から何か症状を伝えることができないので、特に親が見なければいけないのと、迷ったときには、専門家の方にまず聞いて、診てもらうってことですよね。
インフルエンザのピークは、中旬そして下旬などいろいろな見立てがあります。これからピークを迎えるということで、さらに気を引き締めてください。(「イット!」1月7日放送より)