港区のタワマンに住む養子の男、周囲に「金に困っている」…生活水準の維持目的で女性殺害計画か

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大阪府高槻市の会社員高井直子さん(当時54歳)が昨年7月、自宅の浴槽で溺死した事件で、殺人容疑で逮捕された養子の無職高井凜容疑者(28)が事件前、複数の知人に「金に困っている」と話していたことが捜査関係者への取材でわかった。
高給を稼ぐ保険外交員だったが、契約トラブルを起こして保険販売の資格を取り消され、預貯金が減っていたという。府警は困窮して生活水準を維持できなくなり、事件を計画したとみている。
捜査関係者らによると、高井容疑者は2018年11月から外資系の大手生命保険会社で勤務。保険外交員として高額契約を次々と取り付けた。直子さんとも知り合い、1億円の生命保険契約を結んだ。
報酬は歩合制で月100万円ほどを受け取っていた。東京都港区のタワーマンションに住み、高級すし店に通う様子をSNSに投稿するようになった。
だが、顧客から「知らないうちに別の保険まで契約されていた」との苦情が相次ぎ、20年6月に退社。同年8月に都内の保険代理店に転職し、直子さんと5000万円の保険契約を結ぶなど、当初は実績を上げたが、同年秋、前の会社での契約方法を巡り、保険業法に基づき金融庁への登録が必要な「保険募集人」の資格を取り消された。保険販売ができなくなり、21年4月頃に退職した。
直子さんと養子縁組したのは同年2月。この頃には元同僚の男性に「100万円を貸してくれないか」と依頼していた。同年5月には、直子さんの保険金5000万円の受取人を直子さんの母親から自身に変更。直子さんを殺害したとされる同年7月22日の翌日には保険金1億円の受取人も変える申請をしていた。
事件時の経済状況を府警が調べたところ、預貯金は少なくなっていた。「金銭の支払いにかなり困っていた」と話す知人が複数いたという。
直子さんの死亡後、保険金は支払われていないが、高井容疑者は預貯金など1億円を相続。その後はランボルギーニのスポーツカーに乗るなどしており、元同僚には「FX(外国為替証拠金取引)で稼いでいる」と話していたという。
府警は27日、殺人容疑などで送検した。高井容疑者は黙秘しているという。

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