クマ人身被害、9割が顔面負傷…襲われたら専門家「首の後ろで手を組み体を丸め防御姿勢を」

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クマによる人身被害が相次ぐ中、被害者の9割が顔面を負傷していることが、秋田大高度救命救急センターの中永(なかえ)士師明(はじめ)教授らの調査で分かった。
襲われた時は顔や頭部を守る防御姿勢を取るよう勧めている。
中永教授らは、2023年に同センターで治療した患者20人を対象に調べたところ、受傷部位(複数)は顔面が90%、手や腕が70%、頭部が60%と続いた。顔や頭部に集中しているのは、ツキノワグマの体長が1メートル10~1メートル50で、威嚇のために立ち上がった時の前脚の位置が、人の顔面付近にあたるためと考えられる。
クマは体重が80~120キロあり、時速40キロで走ることができるため、攻撃時にエネルギーが加わり、鋭い爪で傷も深くなりやすい。また、被害者の8割が心的外傷後ストレス障害(PTSD)や不眠、動悸(どうき)などを訴えているという。
クマに遭遇した時は、目をそらさずに後ずさりすることが推奨されている。ただ、突然出くわした際はクマも興奮状態にある。その場合の対応として、中永教授は「顔と致命傷になる頸(けい)動脈や気管を守るため、首の後ろで手を組んで体を丸める防御姿勢をとってほしい」と呼びかける。反撃されないと分かれば、クマは数分で立ち去るという。(秋野誠)

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