障害児の息子と健常児の娘を育てる母の葛藤「つい娘ばかり可愛がってしまい…」我に返った息子からの衝撃の一言

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

軽度の知的障害、自閉症スペクトラムの7才息子、健常児の5才娘を育てるお母さん。障害の理解を広めようとSNSやYouTubeで子育ての奮闘を発信し、「すごい」「尊敬」のコメントが日々寄せられている。しかし、息子さんが小さい頃はパニックや癇癪が多く、意思疎通もできなかったことから、育児うつになってしまい、つい娘さんばかり可愛がってしまっていた。我が子ながら平等に愛せず、息子さんに対しては“かわいい”と一切思えなかったというお母さんが我に返ったという息子さんの一言とは。
【画像】娘さんの癇癪、息子さんのパニックがダブルで連日続き…母がとった行動とは?■息子を見るのも辛かった…「障害を受け入れられず、地獄の日々でした」――息子さんは軽度知的障害、自閉症スペクトラムとのことですが、どのような障害がありますか。聴覚過敏、こだわりの強さ、興味関心のあることしかやらない、コミュニケーションが取れていません。気持ちの切り替えが苦手、手順にこだわること、視覚優位の特性なので、何かを見ている時に話しかけても呼びかけにすら反応をしません。けど、逆に目から興味のあることを覚えると天才的です。――SNSやYouTubeを始めた理由を教えてください。コロナがきっかけです。1回目の緊急事態宣言が出た頃、自閉症の診断をされて半年くらいの時で、息子と一緒にいることが辛く感じてしまう、障害を受け入れられてない時期でした。息子を見るのも辛く、モヤモヤしていた時に、自閉症の方のYouTubeを見て、涙が止まりませんでした。正直救われました。当時の息子はパニックの頻度が酷く、私にとっては地獄のように感じる日々だったんですが、そういうリアルな生活を映すことで、私が救われたように、救われる方もいるのではないかと考え、何もしないよりはいい!そう思い始めました。――発信を始めたことで、お母さまの心境や生活の変化はありましたか。発達障害がこんなにも多いんだということにびっくりしました。皆さんのコメントにはいつも癒され励まされ、自分自身の気持ちや心が強くなったように感じます。――お子さんに障害があることに対して、周囲からの偏見や誤解を感じたり、理解が足りないと感じたりすることはありますか。これはあります。長男はパッと見からはわからなく、一緒に暮らして長時間いないと気づかれない自閉症です。病院から診断をしてもらった後は、色んな人に「息子が生きやすいようにしてあげなくては!!」と口頭で発信しまくりましたが、理解をしてくださる声もありましたが、「普通の子にもあるよ」などの悲しい声もありました。普通の子にしか見えないので、親の私が理解を得たくて話すことで打ちのめされるのが現実でした。また、外出先の公園などで遊んでいた時に息子のこだわりが出てしまって、そのこだわりによって、周囲の子ども達はかなりブーイング状態に。親の私はこういうこだわりでこうなっているということが分かりますが、知らない人が見ていると、「なんてわがままな子どもなんだ!」と思われたと思います。その時はこだわりだと解っていたにしても、社会のルールに反していたので、叫んでいる息子を引きずって公園から帰りました。■我が子なのに“かわいい”と一切思えない… パニックや癇癪続きで育児うつに――お子さん達との印象に残っているエピソードや言葉があれば教えてください。息子が自分に対して「もっくんかわいい」と発した言葉は、今でも忘れられません。3才の頃、パニックや癇癪は1回30分~1時間と、頻度も1日多くて3回あった時ですが、私はグッタリしてしまい、心療内科では鬱と診断され、投薬を開始しました。息子はあまり話さず、何を考えているのかわからず、言葉が喋れても「お茶ちょうだい」「ちょうだい」くらいでした。一方、2才年下で定型発達(健常児)の妹は表情も豊かで、コミュニケーションもとても上手で会話も出来ていて、私は娘との関わりや笑顔に癒されてしまい、異常なくらい可愛がってしまっていました。平等にしていたつもりですが、いま思うと、自然とそうなっていたのだと思います。そして、恒例の息子の癇癪、パニックが起きました。正直この頃私が思っていた息子への感情は「どうして私を苦しめる?」という感じで、娘に思っていたような、子どもに対する“かわいい”と思う感情は一切ありませんでした。そんな時に、長男が私に涙ぐむように「もっくんかわいい」と言ってきました。特性上、上手に言えないことがあっても、健常児と一緒で親から愛されたい気持ちやかわいいと思われたい気持ちはちゃんとあるんだなと、その瞬間ハッとして、とても反省しました。そして、気付かされました。上手く自分の気持ちが言えない障害特性、言葉数だって少ない、そんな息子から出てきた言葉の重みは、私にとってはかなりのものでした。「もっくんかわいい」……この言葉は、今でも音程すら忘れずに残っています。――これからどのような動画や投稿を発信していきたいですか。基本は見ている方が楽しく、けどリアルな本人の困りごとなど、時には重たい場面なども交えながら、投稿の中に自閉症の特性を交えて、幅広い方に理解が得られればという目的意識を持って、発信していきたいと思います。親の私が特性を理解してもらおうと話しても、なかなか理解してもらえないのが現実です。また、息子が成長して大きくなった時に、本人が理解を得たくても難しい場面もたくさん出てくるかと思います。理解を得たいのに理解されないのは本当に辛いことです。出来ればそれで胸を痛める方がいない方がいいと感じています。息子だけではなく自閉症の方全体に対して思うんですが、自分は自閉症があると伝えた時に、理解される世の中になるようにと、ビッグマウスですが、そうなることを目指して発信をしていきたいと思います。
■息子を見るのも辛かった…「障害を受け入れられず、地獄の日々でした」
――息子さんは軽度知的障害、自閉症スペクトラムとのことですが、どのような障害がありますか。
聴覚過敏、こだわりの強さ、興味関心のあることしかやらない、コミュニケーションが取れていません。気持ちの切り替えが苦手、手順にこだわること、視覚優位の特性なので、何かを見ている時に話しかけても呼びかけにすら反応をしません。けど、逆に目から興味のあることを覚えると天才的です。
――SNSやYouTubeを始めた理由を教えてください。
コロナがきっかけです。1回目の緊急事態宣言が出た頃、自閉症の診断をされて半年くらいの時で、息子と一緒にいることが辛く感じてしまう、障害を受け入れられてない時期でした。息子を見るのも辛く、モヤモヤしていた時に、自閉症の方のYouTubeを見て、涙が止まりませんでした。正直救われました。当時の息子はパニックの頻度が酷く、私にとっては地獄のように感じる日々だったんですが、そういうリアルな生活を映すことで、私が救われたように、救われる方もいるのではないかと考え、何もしないよりはいい!そう思い始めました。
――発信を始めたことで、お母さまの心境や生活の変化はありましたか。
発達障害がこんなにも多いんだということにびっくりしました。皆さんのコメントにはいつも癒され励まされ、自分自身の気持ちや心が強くなったように感じます。
――お子さんに障害があることに対して、周囲からの偏見や誤解を感じたり、理解が足りないと感じたりすることはありますか。
これはあります。長男はパッと見からはわからなく、一緒に暮らして長時間いないと気づかれない自閉症です。病院から診断をしてもらった後は、色んな人に「息子が生きやすいようにしてあげなくては!!」と口頭で発信しまくりましたが、理解をしてくださる声もありましたが、「普通の子にもあるよ」などの悲しい声もありました。普通の子にしか見えないので、親の私が理解を得たくて話すことで打ちのめされるのが現実でした。
また、外出先の公園などで遊んでいた時に息子のこだわりが出てしまって、そのこだわりによって、周囲の子ども達はかなりブーイング状態に。親の私はこういうこだわりでこうなっているということが分かりますが、知らない人が見ていると、「なんてわがままな子どもなんだ!」と思われたと思います。その時はこだわりだと解っていたにしても、社会のルールに反していたので、叫んでいる息子を引きずって公園から帰りました。
■我が子なのに“かわいい”と一切思えない… パニックや癇癪続きで育児うつに
――お子さん達との印象に残っているエピソードや言葉があれば教えてください。
息子が自分に対して「もっくんかわいい」と発した言葉は、今でも忘れられません。3才の頃、パニックや癇癪は1回30分~1時間と、頻度も1日多くて3回あった時ですが、私はグッタリしてしまい、心療内科では鬱と診断され、投薬を開始しました。
息子はあまり話さず、何を考えているのかわからず、言葉が喋れても「お茶ちょうだい」「ちょうだい」くらいでした。一方、2才年下で定型発達(健常児)の妹は表情も豊かで、コミュニケーションもとても上手で会話も出来ていて、私は娘との関わりや笑顔に癒されてしまい、異常なくらい可愛がってしまっていました。平等にしていたつもりですが、いま思うと、自然とそうなっていたのだと思います。
そして、恒例の息子の癇癪、パニックが起きました。正直この頃私が思っていた息子への感情は「どうして私を苦しめる?」という感じで、娘に思っていたような、子どもに対する“かわいい”と思う感情は一切ありませんでした。
そんな時に、長男が私に涙ぐむように「もっくんかわいい」と言ってきました。特性上、上手に言えないことがあっても、健常児と一緒で親から愛されたい気持ちやかわいいと思われたい気持ちはちゃんとあるんだなと、その瞬間ハッとして、とても反省しました。そして、気付かされました。上手く自分の気持ちが言えない障害特性、言葉数だって少ない、そんな息子から出てきた言葉の重みは、私にとってはかなりのものでした。「もっくんかわいい」……この言葉は、今でも音程すら忘れずに残っています。
――これからどのような動画や投稿を発信していきたいですか。
基本は見ている方が楽しく、けどリアルな本人の困りごとなど、時には重たい場面なども交えながら、投稿の中に自閉症の特性を交えて、幅広い方に理解が得られればという目的意識を持って、発信していきたいと思います。
親の私が特性を理解してもらおうと話しても、なかなか理解してもらえないのが現実です。また、息子が成長して大きくなった時に、本人が理解を得たくても難しい場面もたくさん出てくるかと思います。理解を得たいのに理解されないのは本当に辛いことです。出来ればそれで胸を痛める方がいない方がいいと感じています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。