JR京葉線ダイヤ異例の再変更へ…「快速復活」求める千葉の声で平日計7本増、支社長「課題は残る」

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JR京葉線のダイヤ改正を巡り、朝と夕方以降の通勤快速が廃止されたり、大半の快速が各駅停車になったりした問題で、JR東日本千葉支社は30日、9月1日にダイヤを変更し、平日の快速を上下で計7本増やすと発表した。
3月に改正したダイヤを半年で変えるのは異例で、土沢壇支社長は「厳しいご意見をいただいた。できるだけ早くお客様の負託に応えようと検討した結果だ」と述べた。
「あえてダイヤ変更という言葉を使わせていただく」。土沢支社長は30日の記者会見で、通常春に実施するダイヤ改正とは異なり、路線を限って年度途中にダイヤを見直した点を強調。異例の対応だと説明した。
9月のダイヤ変更では、朝と夜の上下4本を各駅停車から快速に変える。上りは、内房線上総湊駅を午前6時56分に出発して京葉線に直通する列車と、外房線上総一ノ宮駅を午前6時28分に出発する列車だ。下りは、午後8時台に東京駅を出発する2本。外房線と内房線にそれぞれ直通する。
これとは別に、午前9時台に蘇我駅を出発する快速などもある。
土休日の快速は、日中を中心に上下で6本ずつ、計12本増やす。幕張メッセやZOZOマリンスタジアムでのイベントに対応するためだとしている。
追加された朝の上り快速のうち内房線からの直通列車は、蘇我―東京駅間を47分で結ぶ。外房線からの直通列車は49分だ。所要時間は3月の改正前にあった「通勤快速」と比べ、6~7分の増加に抑えられた。
同支社は当初、3月のダイヤ改正で朝と夕方以降の通勤快速と快速の計35本を全て各停にする方針だった。しかし、沿線自治体や経済界から強い反発を受け、朝の上り快速2本を復活させると軌道修正。これが3月16日からのダイヤに反映された。しかし、熊谷知事が「本質的な解決には至っていない」と発言するなど、批判がやまなかった。
同支社によると、ダイヤ改正の当初案を発表した昨年12月以降、インターネットや電話などで700件近くの意見があった。約9割が「快速を復活させてほしい」「速達性を確保してほしい」という声だった。
土沢支社長は5月30日の記者会見で、秋にダイヤを変更する異例の事態となった理由を「自治体や財界の皆様からかなり厳しいお声をいただいたことを踏まえ、私どもの考えが至らなかったという認識に立った」と説明。3月16日の改正以降、熊谷知事や神谷俊一・千葉市長とも意見交換を重ねたことを明らかにした。
ただ、ダイヤ変更でも、快速の本数は3月の改正前と比べ6~7割程度だ。一方で、3月の改正ダイヤに比べると各停の本数は減るため、各停しか利用できない駅を持つ自治体からは反発の声も上がっている。
土沢支社長は「引き続き課題は残る。お客様の利用状況(を踏まえ)、沿線自治体と意見交換をさせていただきながら検討していきたい」と話した。

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