任期満了に伴う那覇市長選が23日投開票され、無所属新人で元副市長の知念覚(さとる)氏(59)=自民、公明推薦=が、無所属新人で元沖縄県議の翁長雄治(おなが・たけはる)氏(35)=立憲民主、共産、れいわ新選組、社民、地域政党・沖縄社会大衆推薦=を破り、初当選した。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を進める岸田文雄政権が知念氏を推し、計画に反対する玉城デニー知事ら「オール沖縄」勢力が翁長氏を支援した。投票率は47・05%。
玉城氏の支援候補は2022年の県内市長選で自公系に7連敗。「オール沖縄」系の市長は県内11市のうち宮古島市のみとなった。玉城氏は9月の知事選で再選されたが、「県都」の市長も自公系となり、足元が揺らぐ。
市長選は2期務めた現職の城間(しろま)幹子氏(71)が出馬しなかった。翁長氏は、14年から知事を務め、18年に死去した翁長雄志(たけし)氏の次男で、知念氏は雄志氏が00~14年に那覇市長を務めた時の側近。
知念氏は政府と協調して国の予算獲得を目指す姿勢を打ち出した。辺野古移設の賛否は明言しなかった。「オール沖縄」勢力の支援を受けていた現職の城間氏は知念氏の「支持」を表明し、森山裕・自民党選対委員長ら国政与党幹部や閣僚も沖縄入りして支援した。
翁長氏は「沖縄の政治家として政治姿勢が問われている」と強調し、辺野古移設への反対を前面に訴えた。子育て支援策の拡充も約束したが、及ばなかった。【比嘉洋、喜屋武真之介、竹林静】
確定得票数
当 64165 知念 覚<1>無新[自][公]
54125 翁長雄治 無新[立][共][れ][社]