華やかにみえる“妖しさ”が、悲しみに裏打ちされていることはままある。
筆者の前に姿を現したのは、艶っぽくもあり、儚げにも見える笑顔が魅力的な女性だった。桃瀬ゆり氏、元セクシー女優。出演本数は200以上にのぼり、タイトルには「SM」「凌辱」などの字面が踊るものも多い。“ハードな性”を生業にしてきた女性だ。
「日曜日は毎週教会へ行き、そのあとバラを売るなどの“経済活動”をすることがほとんどです。また、あるときから学校には通わず、私と姉は1つの部屋に閉じ込められ、そこでホームスクーリングを利用していました。その部屋は放置されていたのでどんどんゴミが溜まっていき、ひどい有り様でした。もちろん友人など呼べません。そもそも両親が友人など必要ないと考えていたので、呼ぶ人もいませんでしたが。中学生のころは、せっかく仲良くなれた子の自宅に父が電話をかけて『うちの娘はレズなので付き合わないほうが良いですよ』などと吹聴し、強引に引き剥がされたこともあります」
そんな状況を受け入れていては、幸せになれないですよね。それはもうやめようと思っています。これからは、似た境遇の人たちのために自分をさらけ出して語り、どうすれば自分の人生を生きられるのかを一緒に考えたいと思っているんです。そのため現在は、虐待サバイバーの人たちが集うNPO法人にも出入りして勉強をさせてもらうなど、活動の場を広げています」