《那須焼損遺体夫婦》「自分は2000万円もらって…」黒幕の1次下請け“指示役”佐々木光容疑者28歳が地元福岡に残した「悪評」と「長髪写真」

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〈《那須2焼死体事件》「不味いよ」「犬以下のクズ」東京上野「宝島ロード」にはトラブル頻出! 被害者は近隣飲食店と訴訟を抱えていた〉から続く
栃木県那須町で夫婦の焼けた遺体が見つかった事件。捜査は急展開を迎えた。
【画像】「「付き合った女によく馬鹿にされ…」佐々木容疑者の“長髪写真”を見る
「亡くなったのは東京・上野で飲食店など十数店舗を経営する宝島龍太郎さん(55)と妻の幸子さん(56)。警視庁と栃木県警による合同捜査本部は、4月29日から5月1日にかけ、いずれも共謀して2人の遺体に火をつけて損壊したとする死体損壊容疑で、住所・職業不詳の佐々木光(28)、韓国籍の姜光紀(20)、元俳優の若山耀人(きらと)(20)の3容疑者を相次いで逮捕。事件発覚直後に出頭した平山綾拳(りょうけん)容疑者(25)と合わせて、逮捕者は4人となった」(社会部記者)
遺体が発見された那須町の山林 文藝春秋
犯行は幾層もの“分業”で行われたことが分かっている。
「遺体損壊の実行役は姜と若山、ガソリンや粘着テープを買いそろえ、運搬用の車を貸したのが平山。その平山に対して犯行を依頼したのが佐々木とみられている」(捜査関係者)
だが――。
「佐々木すらも『宝島夫妻のことは知らなかった。“邪魔な連中を処理してほしい”と依頼され、その指示を(平山に)下ろした』と供述しており、佐々木よりも上位の依頼者がいたことをうかがわせます」(同前)

捕まった4人は飲み友達だったというが、互いのフルネームすら知らない程度の希薄な関係だった。
「姜と若山に先んじて逮捕された佐々木は、那覇市のホテルに潜伏していた。那覇空港で福岡に飛ぼうとしていたところを捜査員に確保されたが、確保時に複数の携帯電話を持っていた。捜査本部はこの携帯を元に関係性を解析し、一気に捜査を進める方針」(同前)
そんな佐々木は福岡県嘉麻市に生まれ、母子家庭で育った。小学校時代は文集にこう記している。
〈僕の将来の夢は、海上保安官です。(略)人の命が助けられるからです〉

「心に残る言葉」には、随筆家で医学博士の永井隆氏の「己の如く人を愛せよ」を挙げる。
〈自分を大切にするだけじゃなく人を大切にしなさいと言う意味だから心に残りました。僕はその言葉を胸にして日ごろの生活を治していきます〉(原文ママ)
卒業アルバムには、長髪ではにかむあどけない佐々木が笑っている。中学ではサッカー部に所属していたが、ワルぶって学校をさぼることもままあったという。ひとつの転機が訪れたのは卒業後だ。高校には行かなかった。

「卒業してから1年ぐらいで、集団暴走行為で捕まったんです。当時、付き合っていた女性との間に子供をもうけていたと聞きましたが、彼女との縁はそれっきり切れたとか。少年院から出た後は、地元を離れ東京や名古屋などを転々としていた時期もあったようですが、2年ほど前に福岡県飯塚市でスナックを始めた」(地元の知人)
雑居ビルの中に構えた店の名前は「だうんたうん」だった。繁華街の飲食店の主の話。
「風営法違反の無許可営業でした。結局、うまくいかなくて半年ぐらいでつぶれたよ。ポーカーのようなギャンブル中毒で借金も抱えていた。知人たちから借りただけでも数百万円ぐらいはあったんじゃないかと思います」

前出の地元の知人は佐々木の振る舞いを嘆息交じりに振り返る。
「借金まみれで金がないことは誰もがしっているのに『俺は金持ちだ』と、バレバレの嘘をよくついていた。女性にもだらしなくて付き合った女によく馬鹿にされていました。ペットのイヌの購入代金数十万円が払えなくて当時の彼女に支払いを押し付けたと風の噂に聞いたのを境に、めっきり評判を聞かなくなっていたんですが……」

事件の後、佐々木は周囲にこんなことを漏らしていた。
「自分は2000万円もらって、1000万円は(平山に)あげた」
捜査の焦点は“黒幕”の正体に絞られつつある。
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「週刊文春」では、今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。
文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

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