急に電波がなくなったと思ったら…偽造マイナンバーカードで勝手に機種変&電子マネー使い込み 議員から被害訴え相次ぐ

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大阪府八尾市議会議員の松田のりゆき氏が2024年5月2日、偽造マイナンバーカードを使った何者かによって携帯電話を機種変更された上に電子マネーを使い込まれる被害に遭ったことをXで明かした。
4月にも東京都議会議員の風間ゆたか氏が同様の被害を訴えている。
松田氏は2日夜、Xを更新し「本日、私が巻き込まれた犯罪について知っていただき、皆様もご注意いただきますことを切に願います」と注意喚起した。
松田氏が異変に気づいたのは、「15時ころ」で、「外出中に急に携帯電話の電波が無くなってしまいました」。自力で解決を試みたものの変化がなかったことから「ソフトバンクの電波障害かと思っていた」が、電波障害等は起こっていなかったことから故障の原因を確かめるため、八尾市内のソフトバンク店舗に行ったという。
すると、「なんと15時ころに愛知県名古屋市にあるソフトバンク柴田店で私の携帯電話が最新機種のiphoneに機種変更していることになっていました」。松田氏が訪れた「八尾店」は大阪府に、機種変更の手続きが行われた「柴田店」は愛知県にあり、最も早いルートを使っても2時間20分ほどかかる。
手続きに関しては、偽造マイナンバーカードが利用されていたとした。
その後、「機種変更した携帯電話でpaypayを使用して50,000円をチャージ、ほとんどを名古屋市内の店舗で消費している形跡がでてきました。その他オートチャージできるソフトバンクカードで130,000円ほど使い込まれてました」とし、半日ほどで電子マネー約18万円分の使い込みをされていたと明かした。
店員からは「ソフトバンクの受付まで堂々と現れて勝手に最新機種に変更することはこれまであまり聞いたことがない」と言われたという。
犯人の目的については「おそらく最新機種の転売とオートチャージの使い込み、ショッピング利用」とし、「名古屋市内でなぜそのようなことが起きたのか全く身に覚えがありませんし、偽造のマイナンバーカードを作るなど組織的な犯罪ではないかと感じます」と疑問をつづった。
携帯電話の機種変更には「名前・生年月日・電話番号」と免許証や保険証、マイナンバーカード等の身分証明書が必要だが、議員の場合、生年月日などの個人情報を明らかにしていることも多い。松田氏も「仕事上、オープンにすべき情報が多くなるので仕方ない話ですが、必要最小限にすることも考えなければなりません」と個人情報の取り扱いを考え直さなければならないとした。
こうした詐欺の対応策として、「私の場合、『機種変更』を行うのは特定の店(八尾市内)に限定するとして、それ以外の店で機種変更が行われる場合は警告がでる仕組みにしてもらう必要があります」としている。
被害を受け、「急に携帯電話の電波が無くなったときは怪しいと感じて下さい。早急に携帯電話を停止し、電子マネーを停止することをお勧めします」と呼びかけている。
続く投稿では、225万円のロレックスの注文履歴のスクリーンショットを公開し、さらなる被害もあり得たと明かした松田氏。
「携帯を緊急停止している中、ショッピングローンの審査が通ってしまうと言うことがかなり問題ではないでしょうか。無効の契約になりますが、これがまかり通ると犯罪集団は何でもできてしまう」と疑問をつづっている。
ソフトバンクをめぐっては、4月にも議員の携帯電話を狙った類似の犯罪が起こったばかりだった。
東京都議会議員の風間氏は18日に「携帯電話乗っ取られました」と報告していた。風間氏が被害に遭ったのも名古屋のソフトバンクショップで、「本人認証はマイナンバーカードの目視確認」だったという。
偽造マイナンバーカードを用いた犯罪に困惑の声が相次いだ一方で、機種変更の手続きを行った店の対応に問題があったのではとする指摘もある。
機種変更の際に必要なものとして、ソフトバンク公式サイトでは「本人確認書類、ご利用中の携帯電話機+USIMカードが必要です」との案内を掲載している。松田氏や風間氏のケースでは、少なくとも「利用中の携帯電話機」は本人の手にあったと考えられる。

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