里親抹消は違法 処分取り消し求め三重県を提訴 養育の男子高校生と弟の中学生は一時児相に

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里親委託を受けて子どもを養育してきた三重県名張市の夫婦が、里親登録を三重県が抹消したのは違法だとして、県を相手取り処分の取り消しなどを求め、4月30日に津地方裁判所に提訴しました。
訴状などによりますと、名張市の松山さん夫婦は2022年、養育していた男子高校生に暴言を吐いたなどの精神的虐待を疑われ、男子高校生は同じ里子の弟の男子中学生とともに児童相談所に一時保護されました。
松山さん夫婦は児童相談所に里親委託を解除されたうえ、三重県に里親登録を抹消されましたが、家庭裁判所が男子高校生から聞き取りを行った結果、夫婦からの虐待被害を否定しているなどとして去年、男子高校生との養子縁組を認め、現在はともに暮らしています。
一方で、中学生の弟は現在も夫婦と離れて暮らしているということです。
30日に津市内で会見を開いた原告の松山健さんは、「全国でも多くの子どもたちが不当に両親から引き離されている。一刻も早く弟を取り戻したい。三重県はできれば第三者委員会を設置して、全国の児童相談所で何が行われ何が問題なのか、はっきりさせてほしい」と訴えました。
原告は、夫婦だけでなく養子縁組を結んだ男子高校生も名を連ね、精神的苦痛を受けたとしてあわせて2200万円の損害賠償も三重県に求めています。
提訴を受け、三重県の子ども・福祉部児童相談支援課は「訴状が届き次第内容を精査し適切に対応していく」とコメントしています。

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