那須2遺体事件で“実行役”2人を逮捕も…1000万円超の報酬が支払える犯行グループの動機は何か

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「アニキ」と呼ばれていた指示役の男も、殺害された宝島さん夫婦と面識はなく、先に逮捕された平山綾拳容疑者(25)とも知り合ったばかりだった。4人逮捕しても、この事件は全容が見えてこない──。
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栃木県那須町の河川敷で会社役員の宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)の焼死体が見つかった事件。1日までに、新たに実行役とみられる韓国籍の姜光紀(20)と若山耀人(20)の両容疑者を逮捕した。
平山容疑者に遺体処理や道具調達を指示したとして、先月29日、死体損壊容疑で逮捕された佐々木光容疑者(28)はこう供述しているという。
「ある人物から4月初めに遺体の処理を頼まれた。(平山容疑者とは)今年2月か3月ごろに渋谷で知り合った。ある人物に報酬を約束され、(平山)綾拳に指示した。宝島さん夫婦のことは知らない。(実行役の)2人のことも知らない」
遺体遺棄を指示した平山容疑者も佐々木容疑者も宝島さん夫婦と面識はなく、佐々木容疑者は平山容疑者の名字も知らなかった。平山容疑者は13~14日にガソリンや携行缶、粘着テープを購入。15日夜、東京都品川区のコンビニで飲み仲間2人にセダンを貸し、空き家の場所を伝え、遺体処理を依頼している。
「飲み仲間2人は16日午前0時ごろ、品川区内の空き家を訪れ、血まみれになった夫婦をセダンに乗せ、那須町まで運び、遺体に火をつけた。車内からは血のついたハンマーが見つかり、妻の幸子さんは頭蓋骨が陥没するほど殴られていた。2人はハンマーで殴られた後、首を絞められ、とどめを刺されたようです」(捜査事情通)
事件後、平山容疑者は品川区内の居酒屋で佐々木容疑者と会い、約5分で店を出ている。平山容疑者は佐々木容疑者から「千数百万円の報酬を受け取り、飲み仲間2人と分けた」と話している。一方、佐々木容疑者は沖縄に飛び、数日間潜伏。福岡に逃亡しようとしたところ、那覇空港で警戒に当たっていた捜査員に身柄を確保された。
■1000万円超の報酬のナゾ
佐々木容疑者が「指示された」と話す人物はどこの誰なのか。こんなむごい殺し方をした理由は何なのか。
上野で14店舗の飲食店を経営する宝島さん夫婦は、客引きを巡って周辺の店舗とトラブルが絶えなかったという。
「指示役や遺体の遺棄役など複数の人物を使い、1000万円超の報酬が支払われている。それ相応の対価が得られなければ、こんな荒っぽいことはしない。動機は単なる怨恨や客引きトラブルではないとみている。宝島さんをよく知る人物が財産や不動産を奪う目的で計画を立てて、犯行現場におびきだしたのではないか。上野の御徒町界隈は経営者が外国人で、客のほとんども外国人という店も多く、複雑な利権が絡み合っている。コロナ禍で閉店に追い込まれた飲食店を次々買い占め、成功を収めた宝島さんが狙われても不思議ではない」(前出の捜査事情通)
平山容疑者から「怖い人」と恐れられていた佐々木容疑者も「下請け」だった。警視庁は「元締」を特定するため、押収した佐々木容疑者のスマホの解析を進めている。

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