「逮捕される前に遊ぼうと」意識不明の男性を車に乗せ 東京~福岡1000キロ 逮捕された男 驚きの“逃亡劇” 警視庁

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暴力を振るって意識不明となった相手の男性を、車に乗せたまま走行し、自宅アパートに放置した疑いで。49歳の男が逮捕された。暴行現場は東京都、男性のアパートは福岡県。男は、およそ1000キロも車で移動していたという。
建設作業員として働く渡辺正人容疑者(49)は、今月14日、東京・武蔵村山市のアパートで、同僚のA男さん(40)と酒を飲んでいて、トラブルになったという。このアパートは、会社が借り上げている作業員寮で、渡辺容疑者は、今月から、A男さんと、別の同居人のB男さんの合わせて3人で住んでいた。
トラブルの原因は分かっていないが、渡辺容疑者は、A男さんの頭や顔を、殴ったり、蹴ったりしたとみられている。凶器は使用されていないとのこと。当時、B男さんも、アパートの中にいて、物音は聞いていたが、暴行には気づかなったそうだ。
渡辺容疑者は、翌15日午前8時40分ごろ、A男さんを、会社所有のワンボックス車に押し込み、アパートを後にした。防犯カメラには、抱きかかえるようにして車に乗せる様子が映っていたという。この時、すでにA男さんは、意識のないような状態だったとみられる。午前9時半ごろ、渡辺容疑者は、上司に電話。「A男さんと一緒にいる」と伝えたという。
しかし、その後、2人と連絡が取れなくなったことから、心配した上司とB男さんが、16日午後6時半ごろ、最寄りの警視庁東大和署を訪れ、事件が発覚。警視庁は、捜査一課が捜査に乗り出し、ワンボックス車の行方を追跡することになった。
詳しい道程は分かっていないが、高速道路を乗り継いだとみられ、17日午後4時ごろ、ワンボックス車は、遠く離れた大分県別府市のコインパーキングで発見される。武蔵村山市のアパートを出てから、2日余りが経過していた。
午後5時半ごろ、渡辺容疑者が、車に戻ってきたところを、捜査員が職務質問。被害者の男性について問いただすと、渡辺容疑者は、「北九州のアパートに置いていった」と打ち明けたそうだ。このアパートは、被害男性の自宅だった。
午後8時すぎ、アパートに急行した捜査員が、床に倒れている男性を発見。呼びかけに反応がなく、男性は病院に運び込まれた。捜査一課は、その日のうちに、渡辺容疑者を、被害男性に対する監禁の疑いで、緊急逮捕した。
男性の容体だが、意識はないものの、脈と呼吸は正常で、命に別条はないとのこと。肺に血栓がみつかっているという。渡辺容疑者と被害男性は、各地を転々としながら、建設作業などに従事していたとみられている。調べに対して渡辺容疑者は、「被害者を車に押し込んで、連れ去ったことに間違いない」と容疑を認めているという。
では、なぜ、”意識不明”の男性を、東京からおよそ1000キロも離れた北九州市まで、車で連れ去ったのか。この点については、渡辺容疑者は、「自宅があるので帰してやろうと思った」「誰かが見つけるだろうと思った」と供述しているそうだ。
一方、男性を北九州市のアパートに放置した後、別府市に向かった理由については、「警察に捕まる前に遊ぼうと思った」と話しているとのこと。捜査一課は、今後、男性にケガをさせた傷害容疑でも追及する方針だ。

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