「日本人は毎日寿司を食べている?」。海外で勘違いされた日本人のイメージ4つ

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人生100年時代、第二の人生をガラリと変える人もいます。結婚、子育て、離婚、病気を経て、昨年からスペインへの単身留学を送っている54歳のRitaさん。SNSでも留学生活を紹介し、人気です。今回は、留学先のスペインで出会った海外の人たちから思われている「日本人ってこうだよね」というイメージについて教えてくれました。
海外に住み世界中の人たちと出会う環境の中、何度も驚かされるのは「日本人」の印象、つまり見られ方です。今まで出会った人の中で日本という国を知らなかった人はいません。しかし、「日本人に初めて会った」「髪の毛触っていい?」「東京に住むところがあるんだ」とまるで絵本の中から出てきたかのような眼差しで見られることもあります。
【写真】スペインのアニメの祭典にて
「まじめそう」「働きもの」「時間を守る」…私が勝手に想像していた日本人のイメージを遥かに超えた質問も多く飛び交います。
というわけで、スペインで出会った友人から勘違いされている日本人のイメージについて、4つのことを語っていきましょう。
私が日本人ということを伝えると、最初に話してくれる話題のトップは「日本食が好きだよ!」ということ。とくに日本に興味を持っていない人でも、ほとんどの人が日本食を食べたことがあります。よく耳にする海外の人たちの好きな日本料理は、寿司・ラーメン・唐揚げ。みそ汁や枝豆の知名度も高めです。
なお日本食を食べる場所は、主に各国にある“アジアレストラン”。経営者は日本人に限らず、料理は中華料理・韓国料理・東南アジア料理が並ぶ飲食店です。また、日本人の食卓には必ず寿司があると思われ、以前食事を共にした5人全員から「日本人は毎日寿司を食べていると思っていた」と口をそろえて言われました。海外ではお茶碗に盛った白いご飯よりも寿司の方が有名で、日本人の主食は寿司と思われていることも少なくありません。
日本=アニメという印象は根強く、マスコット人形を見せてくれたり、タトゥーに入れたキャラクターのマークを見せてくれたり、好きな番組を聞かれたり…日本人ならすべてのアニメを知っていると思われて戸惑うことがあります。
スペイン各地で開催されたアニメ展示会では海外のアニメファンが大集合し、そっくりのコスチュームに身を包み、漫画で見たことのあるお団子・おにぎり・習字・盆踊りなどを楽しんでいました。そして、日本文化に触れている彼らの姿は文字通りキラキラと輝いていました。日本人としてとてもうれしく、アニメの世界進出を誇らしくも思いました。今まで無知だった流行りのアニメも、海外の人たちに少しは説明できる程度に知識をもちたくなったのも、この時からです。
日本は着物を着る国という印象が強いせいか、一人何着も着物を持ち、日本では着物を着ている人を常に見かけるものだと思われています。一枚も持っていないことを伝えると「え? 日本人なのに? いいの?」と不思議がられたことも。また、正式な着物は着ることも難しく、練習した人にしか着つけもできないことにも驚かれます。
また、海外で知られているローマ字「KIMONO」と日本の着物は、少し違う概念で捉えられることがあります。KIMONOはいわゆる羽織物的なものを呼ぶことがあり、衣服店でも和柄の上着にKIMONOと書かれていることがあります。
なぜか日本はどんな仕事でも給与が高く、日本人全員がお金持ちと思われているようです。物価の上昇と賃金のバランスに納得している人が少ないことを伝えても、まったく信じてもらえません。そして日本製の洋服や文具は、低価格で購入したものであっても高級品と思われているようです。
たしかに性能はよいものが多いですが、ここまで日本=高級とイメージされているとは思いませんでした。以前頭痛がして薬を探していた北欧の友達に「日本製の薬だから身体に合うか分からないけど」と渡すと、「日本製なら身体に悪いわけがない。そんなに高級なものをもらっていいの?」と言われました。
信号のない道をみんなと一緒に渡ると「日本では渡ったことないでしょ?」と言われたり、「じゃまたね!」と手を振ると、わざわざ立ち上がってお辞儀をしてくれて「日本ではこうするんでしょ?」と言われたり…想像以上に優等生すぎる日本人のイメージに、くすぐったい気持ちになります。
また逆に、「日本人だとスリに遭いやすいから気をつけて」と言われたことも何度かありました。日本人は礼儀が正しいイメージ、お金がありそうなイメージ、よい製品を持っていそうなイメージがあるのもたしかです。それらのイメージは自分の現実とはかけ離れた部分も多いですが、そんなイメージの中に自分もいるのかと思うと不思議な気分です。そして、彼らにとっての日本人=私だと思うと、気が引き締まります。
日本を離れたからこそ、日本独自の文化や価値観を客観的に見つめられ、新しい視点で日本人をとらえられることができる貴重な機会となっています。

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