美脚トレーナーとして多くの女性のスタイル維持や改善に寄与した実績を持ち、20冊近くもの著書を執筆するなど、美容業界で名を知られる女性がいる。ボディメイクサロン「美・Conscious」代表・久優子(ひさしゆうこ)氏だ。「今年、50歳になるんですよ」と微笑む姿は凛として若々しく、眼差しは今後も新たな挑戦を仕掛けていくであろう企みに満ちている。
目まぐるしく栄えては消えを繰り返す美容業界において、支持を得てきた久氏の施術は、自身が「こんな内面の深い話を私が聞いてしまって良いのかと思うんです」と語るほど、客にとって身体だけではなく心もほぐれたリラックス効果を提供するのだという。それを可能にしているのは久氏の柔和で寛大な雰囲気と、人生経験のなせるわざ。現在の栄光からは到底想像もできない波乱に満ちた半生について聞いた。
何十年も音信不通だったとはいえ、元夫は実の母親からのSOSを無下にできなかった。結局、大病した際の入院費や住居費、基本的な生活費などを負担することになった。
「その後の現場検証や事故調査でも、日常的に使用していたハロゲンヒーターが火元なのは明確だったのですが、なぜ娘のパジャマに引火したのかはわからないまま。部屋は真っ黒、エアコンは溶けて床に落ち、様変わりした我が家がありました。それまで長い年月ここで生活してきたことがまるでなかったように、黒一色に染まっていて、煤けたニオイが私の身体にまとわりついて離れないんです」
◆ウォーキング講師として成功した現在思うこと