【独自】安倍昭恵夫人が「加害者(山上徹也)を赦します」と発言《岡山刑務所での厳戒講演の中身を入手》

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「こんなVIPが刑務所に来てくれるなんて、信じられない。ただびっくりするばかりでした」
こう話すのは、岡山刑務所の受刑者のAさんだ。
1月24日の水曜日。この日は午前10時15分から、受刑者たちへの講演会が予定されていた。ゲストに招かれていたのは、安倍晋三元首相の夫人・安倍昭恵氏だった。
この「VIP」の登場は、受刑者には事前に知らされることはなかった。
「朝9時半くらいに体育館に受刑者が集められ、寒い中待っていたんです。すると刑務官から『目をつぶって、下を向いて座っていろ』と厳しく言われ、10分ほどすると緞帳があがった。
舞台を見ると、安倍元総理夫人の昭恵氏ではないですか。すごいなぁと思いました。VIPが来るなんてウワサはあったが、ここまですごい人がくるとは……」(Aさん)
マイクを握った昭恵氏は、
「懲役は大変ですが、社会に出る日が来ますから頑張って」
と受刑者たちを励ますような話をしたという。
そして昭恵夫人は、安倍元首相の話を始めた。
「主人が突然、倒れてしまい、信じられませんでした」
と言って、涙ぐんだという。
受刑者たちを驚かせたのは、
「犯罪の被害者として、お話をさせていただきます」
と前置きしたうえ、安倍元首相の銃撃事件そのものを語り始めたときのことだった。
刑務所の中であっても、2022年7月に安倍元首相が奈良市で銃撃されて死亡したことや、犯人の山上徹也被告が旧統一教会(現在の世界平和統一家庭連合)への恨みで犯行に及んだことは、誰もが知っているという。
昭恵夫人は、受刑者たちを前に、夫を狙撃した山上被告について、目を真っ赤にして絞り出すようにしてこう話したという。
「私はただ、罪を憎んで、人は憎まず。加害者(山上被告)を赦します……」
昭恵夫人の話を聞いたAさんはこう振り返る。
「聞いていた受刑者の中には殺人犯もいますが、涙をこぼしていた人もいました。普通なら、ご主人を殺した山上被告を赦しますなんて、言えないですよ。昭恵氏はすごく大きな人なんだと思いました。刑務所は厳しい規則で拍手はできませんでしたが、心の中では喝采でした」
山上被告は、事件当時から岡山刑務所内で話題を集めていた。というのも、本人がいずれ収監されるのがこの刑務所ではないかという噂があったからだ。
岡山刑務所は「LA」と呼ばれる、初犯だが殺人などの重罪で長期刑が確定した被告が受刑する刑務所だ。中には殺人で無期懲役という受刑者もいる。
山上被告はすでに安倍元首相の銃撃を認めているので、旧統一教会との関係とともに、精神鑑定と刑事責任能力が争点となる模様だ。
刑事責任能力があると判断されると、裁判員裁判で下される量刑が焦点になる。山上被告は過去に事件を起こしたことがない模様で、死刑判決は回避される可能性がある。その場合、想定されるのは無期懲役か懲役20年前後の有期刑だ。
死刑以外の判決が確定すると、岡山刑務所での受刑の可能性があるのだ。
「安倍元首相の銃撃事件以降、受刑者の間では『いずれ山上被告が岡山刑務所に来るんじゃないか』という話題は頻繁に出ますね。すでに世間を騒がせた事件の犯人もけっこう受刑していますが、山上被告となれば、別格ですから。
昭恵氏は、山上被告が岡山刑務所で受刑することもあり得ると思って、わざわざその話題を自ら語ったのかなと感じました。
昭恵氏にそこまで気遣ってもらえる山上被告は本当にありがたいものですよ。岡山刑務所のような重罪事件の受刑者は、みんな被害者から一生、恨まれていますから」(Aさん)
昭恵氏の「X」(旧ツイッター)を見ると岡山刑務所を訪問したことを綴っていた。
《昨日は岡山刑務所訪問。約400人の受刑者の前で少しだけ話をさせていただきました。
約半数が無期懲役。犯罪被害者遺族という立場で何か伝えられたらと思いましたが、言葉が出なくなりました・・・#岡山刑務所》
刑務所や拘置所を所管する法務省矯正局も、こう投稿している。
《【#岡山刑務所 で講演 】1月24日(水)、 #社会貢献支援財団 会長 #安倍昭恵 氏、食べて語ろう会理事長 #中本忠子 氏、再非行防止サポートセンター愛知理事長 #高坂朝人 氏が来庁され、被収容者に対し、講演をしていただきました。お忙しい中、ありがとうございました》
いずれの投稿にも、昭恵夫人が山上被告について語ったという事実は書かれていない。Aさんがこう振り返る。
「昭恵氏は予定時間をオーバーしても語り続けてくれました。その語り口から、慈善活動を熱心にされていて、私たちのような受刑者にまで気配りをしてくれているやさしさに感銘しました」
一方、昭恵夫人に「赦します」とされた山上被告の裁判員裁判はまだ始まっていない。2023年6月、山上被告は奈良地裁の公判前整理手続きに出席予定だったが、地裁に「危険物」を思わせる不審な箱が届いたため、急きょ中止。職員らは屋外に退避し、奈良県警の爆発物処理班まで出動する大騒動になった。
そして今年1月23日、山上被告は第2回目の公判前整理手続きにはじめて出席した。初公判はまだ決まっていないが、法廷では何が明かされるのだろうか。
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