なぜ犯行に…面識やトラブルなし「社会に必要とされない疎外感」専門家が指摘 コンビニ3人死傷

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札幌市北区のコンビニエンスストアで店員3人が死傷した事件から3日で1週間。逮捕された男の動機はいまだ分かっていませんが、専門家はこうした事件の犯罪者にみられる、ある心理的な特徴を指摘します。(札幌方面西警察署 池田直弘警部補)「絶対に自分自身を守ることを最優先してください」札幌市内のコンビニエンスストアで4日朝に行われたのは、警察による防犯指導です。事件発生時に店員の安全を確保できるよう、店の避難経路などを確認しました。

そのきっかけとなったのがー先月25日午前6時45分ごろ、札幌市北区のコンビニエンスストアで店員3人が刃物で次々に襲われ死傷した事件。逮捕・送検された札幌市北区の無職・宮西浩隆容疑者は、60歳の男性店員を刃物で刺し、殺害しようとした疑いが持たれています。この男性店員と58歳の女性店員が大けがを負い、大橋恵介さん40歳が死亡しました。(石黒記者)「事件から1週間が経った現在も入口にはコーンが置かれ、店は閉店しています。献花台には多くの花と飲み物が置かれています」献花台に手向けられた多くの花々。事件から3日で1週間が経ちました。これは犯行のおよそ25分前の防犯カメラの映像です。ビニール袋を手に下げ、自宅のある方向へと歩く宮西容疑者とみられる男。捜査関係者によりますと、宮西容疑者は犯行前に同じ店を訪れ、買い物をしていました。「刃物をとりに一度自宅へ戻った」このような趣旨の供述をしている宮西容疑者。先ほどからおよそ15分後の映像には、別の上着に着替え、再び店のある方向へと歩く宮西容疑者とみられる男の姿が映っていました。このおよそ10分後、コンビニにやってきた宮西容疑者は、少し店内を歩いた後、レジで60歳の男性店員を、中央付近で58歳の女性店員を刃物で次々と襲いました。そして、バックヤードに逃げる大橋さんも追いかけて、刺したということです。さらに、宮西容疑者は外に逃げた60歳の男性店員を追いかけ―その後、駆け付けた警察に取り押さえられました。「3人に恨みがあったわけでなく申し訳ないと思っている」コンビニの運営会社などによりますと、宮西容疑者と被害に遭った店員に面識はなく、店とのトラブルもなかったということです。なぜ犯行に及んだのかー専門家はこうした事件を起こす犯罪者に共通する、ある特徴を指摘します。(犯罪心理学者 出口保行さん)「被害感や疎外感が強いタイプが多い。要するに人が特に悪意を思っていないことも悪意を感じとってしまう。自分が社会の中で必要とされていないんだという疎外感を持っている。自分の中にたまっている負の感情が限界を超えると感じたときに、社会に対する攻撃行動を起こそうとするのはよくあること」店員3人を突然襲った残忍な犯行。警察は大橋さんに対する殺人容疑も視野に、宮西容疑者の動機などを慎重に調べています。

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