2022年8月、消防隊員1人が殉職した静岡市葵区のビル火災をめぐり、静岡市は2月28日、独自に進めていた調査の結果を公表しました。静岡市の難波喬司市長は「本来ではあり得ない活動が行われていた」と、当時の行動を問題視しました。
【写真を見る】「あり得ない活動が行われていた」静岡市消防は“リスク教育不十分”現役隊員の4人に1人が指摘 静岡市が独自調査公表
<静岡市 難波喬司市長>
2月28日会見で静岡市の難波喬司市長は、静岡市消防局が抱える組織的な課題に言及しました。
2022年8月、静岡市葵区呉服町の飲食店で発生した火災では、現場で消火活動にあたっていた静岡市消防局の男性隊員が殉職。この事故を受け、2023年8月、第三者による事故調査委が報告書をまとめましたが、静岡市は再発防止のために行政の視点からの検証も必要として、市独自の調査を進めてきました。
調査の過程では、消防職員669人にアンケートを実施。消火などの活動時のリスクについて十分な教育や訓練がなされているか、という質問に対して全体の4分の1に及ぶ職員が「十分に教育されていない」と答えました。そして、報告書は「普段から火災現場で活動時の規範が守られていなかった」と結論付けました。
<静岡市 難波喬司市長>
男性隊員らは本来、命綱として使用する隊員同士をつなぐロープを使わずに屋内に進入。さらに、消火活動にあたっていた隊員3人のうち2人は、ロープを使用しない訓練を行っていなかったことも問題視されています。
静岡市がまとめた見解を現場はどう受け止めているのか。静岡市消防局を訪ねました。
<静岡市消防局 伴野泰造警防部長>
最善の対応ではなかったことを認めました。
<静岡市消防局 伴野泰造警防部長>
静岡市は現場のトップ・消防長の直轄組織=「消防管理室」を4月に新たに立ち上げ、消防職員と意見交換をしながら規範の見直しなどを進めていくとしています。