少年ジャンプ「早バレ」容疑で逮捕の男、正規ルートで入手の最新号を販売前に公開か

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「週刊少年ジャンプ」の漫画の画像を発売前にインターネットで公開したとして、熊本県警などが外国籍の2人を著作権法違反容疑で逮捕した事件で、2人が販売店として正規に入手した最新号を流出させた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。
書籍を流通過程で流出させる行為は「早バレ」と呼ばれ、県警は掲載サイトの閲覧数を増やし、広告で利益を得ていたとみて調べている。
熊本、新潟両県警の合同捜査本部は、東京都の「ジャパンディールワールド合同会社」経営の男(36)と従業員の男を発売5日前の少年ジャンプの画像を複製、公開した疑いで逮捕した。
捜査関係者によると、漫画は英語やアラビア語に翻訳され、SNSを通じて海外に拡散した。同社は漫画やアニメのグッズのほか、少年ジャンプも販売しており、都内の取次会社から正規ルートで入手していたとみられる。捜査本部は、店頭に並ぶ前に雑誌を手に取れる立場を悪用したとみている。2人はスマートフォンで撮影して複製したことは認める一方、「ネット上に公開していない」と一部を否認しているという。
捜査本部は近く、2人を別件の著作権法違反容疑で再逮捕する方針だ。
発売前の人気漫画を無料で公開する「早バレサイト」は乱立している。出版社の販売機会や作者への対価の支払いが損なわれており、少年ジャンプを出版する集英社の担当者は「被害額は計り知れない」と話す。
著作物の権利保護のために活動する「コンピュータソフトウェア著作権協会」(東京都)は、「見る人がいることで広告収益が生まれるため、早バレが後を絶たない。著作権を守るためにも正規のサービスで読んでほしい」と訴える。

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