青森の5歳死亡女児に日常的に冷水か、県や県警に「虐待」情報…児相の面会は1度のみ

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青森県八戸市で先月、母親の交際相手から冷水をかけられ続けた宮本望愛(のの)ちゃん(5)が死亡した事件で、望愛ちゃんが日常的に同様の虐待を受けていた疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、傷害致死容疑で逮捕された母親の無職宮本菜々美容疑者(21)は1月7日午後、自宅浴室で同居する交際相手の関川亮容疑者(31)が望愛ちゃんに冷水を浴びせた際、「きょうも同じようなことをしていると思い、止めなかった」と説明。日常的な虐待を黙認していた可能性があるという。
望愛ちゃんは同日夜、浴槽内で倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認された。死因は低体温症による急性循環不全で、体には複数のあざがあった。
事件を受け、県は16日、八戸児童相談所に昨年7月と同9月、虐待が疑われるとの情報が寄せられていたことを明らかにした。
県によると、昨年7月28日、児相に「子どもを蹴ったり、たたいたりしていると聞いた」との通報があった。児相は同日に家庭訪問したが両容疑者には会えなかった。虐待に関する情報は9月22日にも県警から寄せられた。その後は両容疑者に計10回以上電話したが、仕事などを理由に面接に応じず、児相職員が両容疑者と望愛ちゃんに初めて会えたのは10月31日だった。
望愛ちゃんの体を確認したところ虐待が疑われる傷はなく、一時保護は必要ないと判断。11月30日には指導を終え、県警や市に見回りは要請しなかった。
面接が1度だったことについて、県健康福祉部の工藤康成次長は「ほかに優先すべき虐待案件もあった」とした。県は児相の対応を検証する第三者委員会を設置するという。

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