「5歳以下に硬い豆を食べさせないで」節分に合わせ消費者庁が注意喚起…もし喉に詰まらせた場合は?応急処置法を聞いた

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2月3日は節分。土曜日ということもあって、家族みんなで豆まきをしているかもしれない。そんな節分の日を前に、消費者庁は窒息や誤嚥の危険から硬い豆などを5歳以下の子どもには食べさせないよう注意を呼び掛けた。硬い豆やナッツ類には、子どもがのどや気管に詰まらせて窒息したり、噛み砕いた小さなかけらが気道に入って肺炎や気管支炎を起こしたりするリスクがあるとのこと。奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではない子どもに食べさせると大変危険だというのだ。
実際、消費者庁・国民生活センターには、医療機関から、子どもが食品で窒息や誤嚥する事故が起きており、平成30(2018)年から令和4年(2022)年までの5年間で5歳未満の子どもが43人亡くなっている。
具体的に、このような事故が起きている。
「炒り豆を口いっぱいに頬張っていたときに椅子から転落して顔をぶつけ、痛みで泣いた際に咳き込んだ。咳き込みが続いたため病院を受診したところ、CT検査で気管支に5mmの異物が確認された。手術にて異物(豆)を除去し、6日間の入院となった。」(1歳)「納豆巻きを切って食べさせて急に咳き込んだ。吐き出そうとして何も出てこなかったが、病院に着くまでかなり咳き込んでおり、経過観察のため通院が必要となった。」(3歳)
こうした事故を防ぐため、消費者庁は注意すべきポイントとして「食べているときは、姿勢をよくし、食べることに集中させる」「泣いている時に食べ物をあげるのはやめる」「小さく切りわけても子どもが口に詰め込むこともあるため、少しずつよく噛んで食べるよう伝え様子を見守る」「節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫する」「節分の際、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底する」などを挙げている。消費者庁では、このような注意を節分の時期に毎年呼び掛けている。では豆を喉に詰まらせてしまった場合はどうすればよいのか?消費者庁の担当者に詳しく話を聞いてみた。
――毎年、この時期に注意を呼び掛けている理由は?消費者庁では、季節に応じた子ども安全メール(メールマガジン)を配信しており、今回も、その一環で注意を呼び掛けたものです。――子どもの窒息・誤嚥事故は、なくなっていない?前提として、窒息・誤嚥事故は様々な食品で起きる可能性があります。公表資料に記載のとおり、平成30年から令和4年までの5年間で43人の子どもが亡くなっています。――もしも子どもが喉に豆を詰まらせてしまった場合はどうしたらよい?豆に限らず、喉にものを詰まらせた場合、一刻も早い応急処置が必要です。以下、政府広報オンラインの記事などの応急処置の方法をご確認ください。〈1〉背中を叩く(背部叩打法)※乳児に行う背部叩打法片手で乳児の体を支え、手のひらで乳児のあごをしっかり支えながら、もう一方の手のひらのつけ根で乳児の背中をしっかり叩きます(5、6回を1セット)。
〈2〉胸部を圧迫する(胸部突き上げ法)※乳児に行う胸部突き上げ法乳児をあお向けにし、片手で乳児の体を支えながら手のひらで後頭部をしっかり押さえ、心肺蘇生法と同じやり方で胸部を圧迫します(5、6回を1セット)。乳児の様子を見ながら、〈1〉と〈2〉の対処法を交互に繰り返してください。体位を変えることで、のどに詰まったものが出やすくなる効果があります。
〈3〉腹部突き上げ法(ハイムリック法) ※1歳児以上の場合背後から両腕を回して、片方の手を握りこぶしにし、子どものみぞおちの下に当てます。もう片方の手をその上に当てて、両手で腹部を上に圧迫します。これを繰り返します。
――子どもと豆まきをする際に、特に訴えたいことは?公表資料の中、注意ポイントの3つ目と4つ目です。・硬くてかみ砕く必要のある豆やナッツ類は、5歳以下の子どもには食べさせないでください。・節分の豆まきは個包装されたものを使用するなど工夫して行い、5歳以下の子どもが拾って口に入れないように、後片付けを徹底しましょう。
まずは子どもに食べさせないことが重要だが、万一の際にはこれらの応急処置を適切に行なってほしい。

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