“次の首相” 上川外相が自民支持層で浮上 上位3候補は「小石河」が盤石 FNN世論調査

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岸田首相の支持率が、政権の“危険水域“といわれる3割を割り込む状況が続く中、「次の首相」にふさわしい人物について、上川外相が5番手につけ、期待が高まっている。
FNN世論調査(1月20・21日実施)で、次の首相にふさわしい人物について質問したところ、「石破茂元幹事長」20.3%、「小泉進次郎元環境相」15.0%、「河野太郎デジタル相」9.2%、続いて「菅義偉前首相」6.5%となり、5番手に「上川陽子外相」5.1%。6番手は「高市早苗経済安保相」4.7%、「岸田首相」2.3%、「林芳正官房長官」2.0%となった。
今回の調査でも、上位3人は小泉・石破・河野のいわゆる「小石河」となった。上川外相は、前回では、高市氏に次いでいたが、今回「女性総理」候補として初めて最上位となった形だ。支持率が2割台に低迷する、岸田首相は、今回の調査でも7番手で、岸田内閣の現職閣僚に後れを取る状況が続いている。
【次の首相に最もふさわしい人】(カッコ内は2023年12月)石破茂 自民元幹事長 20.3%(18.2%)小泉進次郎 元環境相 15.0%(16.0%)河野太郎 デジタル相 9.2%(11.9%)菅義偉 前首相 6.5%(4.2%)上川陽子 外相 5.1%(4.3%)高市早苗 経済安保相 4.7%(5.4%)岸田文雄 首相 2.3%(2.5%) 林芳正 官房長官 2.0%(1.0%)
最近の上川外相をめぐる話題と言えば、麻生副総裁が上川外相について「おばさん」「そんなに美しい方とは言わない」と言及するなど、容姿や年齢に関する発言が物議を醸した。この発言に対し批判の声が上がっているところだが、同じ講演で、首相・外相経験がある麻生氏は、上川氏の外相と評価している。「外交官の手を借りず、自分で会うべき人たちの予約をとる」「あんなことができた外相は今までいない。新たなスターが育ちつつある」と手腕を認めた。
上川外相は、1月初旬には、ウクライナの首都キーウを訪問しゼレンスキー大統領と会談したほか、欧米も訪問し、文字通り世界一周の外交を行うなど活発な外交を展開している。
もうひとつ、上川外相が「今までにない」外相として、力を入れているのが「女性・平和・安全保障」の英語の頭文字を取る「WPS」外交だ。1月30日の国会での外交演説でも「主要外交の一つとして力強く推進する」と掲げた。WPSとは、女性や女児の救済に加え、女性自身が指導的な立場で、紛争の予防や平和構築に主体的に参加することで、持続可能な平和の実現を求める外交姿勢だ。就任以来、海外訪問の度に、関連する要人会談を数多く取り組み力を入れている。1月29日には「WPS」の取り組みを推進するために、外務省内にタスクフォースを立ち上げ「国際社会の平和と安定に貢献する前向きなアジェンダとしてWPSを政策から現場まで様々な虚湖面で推進する」と強調した。
首相になるには、第一党のトップになることが前提となる。自民党支持層が選ぶ「次の首相」を見てみると「石破茂元幹事長」20.7%、「小泉進次郎元環境相」17.2%と頭一つ出る期待の高さとなった。3番手以降は「菅義偉前首相」9.5%「河野太郎デジタル相」9.1%となった。これまでの調査では河野氏が“上位3人枠“に入る結果が多かったが、自民党の派閥パーティー資金の不記載事件が焦点となる中、自民党の政治刷新本部でまっさきに「派閥の解消」を打ち上げ、その後の流れを作った菅前首相への自民党支持が今回は高まった形だ。
今回の調査では、これに続いて5番手に「岸田首相」6.0% 同数で「上川外相」6.0%、「高市経済安保相」5.8%となった。前回12月調査では、「岸田首相」5.5%や「高市大臣」5.5%から遅れて「上川大臣」4.4%だったが、今回調査では、堅調な支持を得つつあるといえる。
ただし、今回質問した「首相への期待」で「自民党総裁への期待」と大きく違う点が無党派層からの支持となる。たとえ自民党支持層の期待で「総裁」から「首相」になったとしても無党派層の期待を得ないことには、政権を託すに足る首相にはなれない。というのも有権者の中で圧倒的に多いのが無党派層(FNN調査45.2%)で、自民党支持層(FNN調査27.1%)の倍近くいるからだ。
岸田首相は、今月調査で自民党支持層からの期待は前述の通り6.0%あるものの、無党派層からの期待は0.6%と急落、政権支持率が危険水域で低迷する理由もここにある。
その点、次の首相への期待が毎月の調査で安定して高い候補は、無党派層からの期待をみると「石破氏」17.6%(自民層の支持20.7%)、「小泉氏」13.2%(自民層の支持17.2%)と、自民層からの支持に遜色ない、無党派層からの期待を広く受けている。
同じく無党派層からの期待を見ると「上川外相」5.0%(自民層の支持6.0%)と、自民党総裁としての期待に近い、首相としての期待も得ていると言える。
【自民支持層 次の首相にふさわしい人】(カッコ内は2023年12月)石破茂 自民元幹事長 20.7%(17.5%)小泉進次郎 元環境相 17.2%(21.8%)菅義偉 元首相 9.5%(3.7%)河野太郎 デジタル相 9.1%(15.8%)上川陽子 外相 6.0%(4.4%)岸田文雄 首相 6.0%(5.5%)高市早苗 経済安保相 5.8%(5.5%)
最後に「次の首相への期待」を聞くにあたり、岸田首相にいつまで首相を続けて欲しいか、自民支持層に聞いたところ「9月の自民党総裁任期まで」45.9%、「9月以降も続けて欲しい」18.8%、「3月末前後の予算成立まで」14.3%、「国会が終わる予定の6月頃まで」12.6%、「すぐに交代して欲しい」6.6%となった。
首相交代に先立ち起きうる「総裁交代」について、自民支持層からは、9月の節目での交代と見る向きが現状で最も強いことがうかがえる調査となった。
【自民支持層 岸田首相にいつまで続けて欲しいか】9月の自民党総裁任期まで 45.9%9月以降も続けて欲しい 18.8%3月末前後の予算成立まで 14.3%国会閉幕予定の6月頃まで 12.6%

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