「あっ!」と標示で事故激減…全国にある“謎の道路標示” 高速逆走を防ぐ3D標示も

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「いたずらかと思った」と住民も驚く、道路に書かれた「あっ!」の文字。この標示で事故が激減といいます。
一方、ウィンカーを出さない“ご当地走り”の対策は“ご当地マーク”。信号のない横断歩道で止まらない車には“市松模様”。驚きの検証結果が出ました。
全国にある“謎の道路標示”。事故が減る理由を専門家が分析します。
静岡県の住宅街を走行中。優先道路ですが、建物があり、左からの車に気付きにくい交差点でした。
岡山県では、こんなヒヤッとする場面もありました。左から来た自転車とあわや衝突!
いずれも、見通しの悪い交差点。ユニークな対策をしたことで事故激減に成功した場所がありました。
ここは、神奈川県川崎市。脇道がいくつもあり、かつては事故が多発していました。
「あっ!」の標示は、およそ500メートルの区間で9カ所あります。
緩やかなカーブで見通しが悪い道路。「あっ!」の標示があるのは、いずれも脇道がある場所でした。
ドライバーに減速を促すため設置していました。それにしても、なぜ「あっ!」なんでしょうか?
設置前の5年間で16件あった事故は、設置後の3年間でわずか1件に激減。道路の標示などにも詳しい教授に、その効果について聞きました。
「横断注意」や「速度を落とせ」などの文字は、意味を理解するのに、わずかとはいえ時間がかかり、直感に訴える「あっ!」は、すぐに反応できるといいます。
そして、「あっ!」の標示は、意外な効果も生み出していました。幼稚園の目の前にある道路では…。
ドライバーだけでなく、幼い子どもたちも“危険な道路”という認識を持つようになったと言います。
一方、これは合図を出すための、ご当地ならではのマーク。サクランボのようにも見えますが、葉っぱの向きに秘密がありました。
独特な言い回しで、危険な運転に警鐘を鳴らすのは、岡山県在住のローマンさんです。
いわゆる“岡山ルール”と呼ばれる、ウィンカーを出さない危険な運転。その対策が道路に標示された“星マーク”です。
実は、「ここからウィンカーを出す」という印で、県内65カ所に設置しています。一方、香川県でローマンさんがある標示を発見しました。
ブドウ!?ではなく、香川県の県花県木オリーブをモチーフにした合図のマークです。
実は、葉っぱの向きで、右左折の方向を示しています。オリーブマークを設置後、事故発生頻度はなんと4割ほど減少したということです。
一方、この動画では、横断歩道を渡ろうとする歩行者の目の前を車が通過していきます。
JAFの調査によると全国の「信号機のない横断歩道」の一時停止率は45%程度。半数以上が止まらない実態が明らかになりました。
そこで、新たな対策が。その名も「チェッカーペイント」。横断歩道での減速を促す、画期的な対策でした。
撮影者が横断歩道を渡りたくても次々と通過していく車。さらに、歩行者に気付き、停止しますが、追い越しをする後続車が歩行者をはねそうになります。
横断歩道は歩行者がいる場合、ドライバーは減速や停止義務があります。
去年11月、長野県では珍しい対策をしました。一見すると意味不明な市松模様。このデザインを考えた会社の代表はこう話します。
ドライバーが不思議に思い、減速する狙いがあるといいます。さらに、文字がないのには意味がありました。
これは、田中教授が行ったシミュレーション。およそ30キロで走行中、「注意」の文字が見え始めてからカウントすると、「横断者」の文字が読めるまでに2秒ほどかかっています。
ペイントだけの方が、減速や停止の動作に早く入れるといいます。
そして、近年、問題になっているのが高速道路での逆走。一体、どこから入ってくるのか?逆走車が必ず通る場所に注意を喚起、3Dの標示で9割減の秘密とは?
パーキングエリア内を走る車。高速道路の本線は、手前に向かって流れています。すると、車は入り口から出て本線へ…ここから逆走が始まっていました。
運転していたのは80代の男性で、その後、事故を起こすことなく確保されたということです。
さらに、本線から出口に向かう道路では、一台の車が進行方向とは反対に進入していきます。
そのまま8キロほど走行してトラックと衝突。逆走車の運転手は、77歳の男性でした。そこで、生まれた対策があります。
ここは東名高速道路の横浜町田インターチェンジ。出口に逆走対策の標示を設置していましたが、なんと書いてあるかまでは読めません。
しかし、後方カメラを逆再生してみると、「進入禁止」の文字が…浮き上がっているようにも見えます。開発した会社に話を聞きました。
出口に向かうドライバーが驚かないように、逆走車にしか読めない3D標示になっています。
平面の路面標示と比べると立体的な方が、存在感があります。
高速道路117カ所に設置した結果、年間およそ30件あった逆走が3件ほどに激減していました。

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